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【秋場所】痛恨2敗の稀勢の里 場所前から指摘されていた「落とし穴」

東スポWeb 9月14日(水)12時57分配信

 大相撲秋場所3日目(13日、東京・両国国技館)、3場所連続で綱取りに挑む大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が幕内栃ノ心(28=春日野)に変化からの渡し込みに屈して痛恨の2敗目。横綱昇進の条件である初優勝に早くも黄信号が点灯した。舞台裏では今場所が始まる前、同じ二所ノ関一門の“身内”からは「落とし穴」の存在が指摘されていた。和製大関がまんまとはまってしまった格好だ。

 綱取りに挑む稀勢の里が、早くも崖っ縁に立たされた。この日は栃ノ心の立ち合いの変化に全く対応できず、一方的に攻め込まれて完敗。前日の2日目に全開だった「笑顔」はなかったように見え、取組後は「うーん。落ち着いていけばよかったんですけど…」と言葉を絞り出した。3日目にして早くも2敗に後退。V本命の横綱日馬富士(32=伊勢ヶ浜)にも土がついたとはいえ、初優勝を目指す上では致命傷になりかねない黒星だ。

 実は、今場所が始まる前に「落とし穴」の存在が指摘されていた。稀勢の里は場所前に二所ノ関一門の連合稽古で大関琴奨菊(32=佐渡ヶ嶽)を圧倒するなど絶好調をアピール。一門の重鎮の尾車親方(59=元大関琴風)は「相撲の調子自体は、すごくいいと思うよ。あとは(優勝に)足りない一番(1勝)を何とかしてほしい」と期待を寄せていた。

 その一方で「先場所の松鳳山の時のような負け方だけはいけない」とも…。7月場所は10日目に平幕の松鳳山(32=二所ノ関)の変化に簡単に屈して痛恨の2敗目。結果的に、この黒星が優勝に1勝及ばない「敗因」となった。正攻法の攻めで強さを発揮する半面、相手の変化に対するあまりの無警戒ぶりに一抹の不安を口にしていたのだ。そんな心配事が“的中”してしまった格好だ。

 日本相撲協会の八角理事長(53=元横綱北勝海)は「(相手の変化は)ちょっとは頭のスミに入れておかないと。余裕がない」と厳しく指摘。審判部副部長の友綱親方(64=元関脇魁輝)も「(今場所の)話題がなくなった。(日馬富士に土をつけた)隠岐の海のおかげで確率的に10%くらいは残ったが、相撲内容が悪すぎる」とバッサリだ。この日の黒星が協会幹部に与えた印象は極めて悪い。

 過去1年(6場所)の優勝ラインは13勝以上が5度。12勝は1度しかない。横綱白鵬(31=宮城野)の休場で混戦模様ではあるものの、自力で賜杯をつかむには、これ以上は負けられなくなった。逆に、このままズルズルと後退すれば綱取りそのものが振り出しに戻る可能性もある。今後の相撲人生を左右する正念場と言えそうだ。

最終更新:9月14日(水)13時3分

東スポWeb