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失態を繰り返した巨人の補強戦略 リーグV逸は賭博問題のせいだけか

夕刊フジ 9月14日(水)16時56分配信

 2年連続でセ・リーグ優勝を逃した巨人・老川祥一オーナー(74)が12日、東京都内で行われたプロ野球オーナー会議に出席。その後、高橋由伸監督(41)の就任1年目の戦いぶりについて「野球賭博問題でスタートから苦しい戦いは予想されていた。そういう中でよく頑張った」と及第点を与え、3年契約の2年目となる来季も続投させる方針を明らかにした。だが賭博騒動がなかったとしても、ペナントレースを制するだけの戦力をそろえられていたかといえば、“審議”のランプを灯さざるを得ない。 (笹森倫)

 オーナー会議には、世界野球ソフトボール連盟のフラッカリ会長が出席。2020年東京五輪で野球・ソフトボールが追加種目で採用されたことに謝意を示した。

 もしも採用が見送られていれば、老川オーナーは矢面に立たされていたかもしれない。巨人を舞台とした野球賭博事件は、五輪のフェアプレー精神に反し、深刻なイメージダウンをもたらしたはずだからだ。

 中心人物となった元投手の笠原将生被告は、5日の公判で「自分がしたことが思った以上に大きなことだと改めて思った。野球が五輪の競技になりそうだったのが、自分のせいでなくなる可能性もあると思っていた」と語っている。

 巨人が被った戦力的なダメージは、賭博に関わり解雇された4投手にとどまらない。チーム最大の課題は打力だったが、昨秋ドラフトは穴埋めのため即戦力投手の指名を優先。今季開幕前に模索していた交換トレードも、3月上旬に高木京介元投手の賭博関与が発覚して白紙になった。他の選手にも疑いの目が向けられ、他球団からトレードを敬遠されるのも仕方がない状況となった。

 老川オーナーも情状を酌量し、高橋監督の1年目を「今年は賭博問題などいろいろ想定外の事態があり、スタートの時から厳しい状態、苦しい戦いは予想されていた。そういう中ではよく頑張ってきている」と評価。続投にも「そういう前提でやっていると思う」とゴーサインを出した。

 だが想定外の事態だからこそ球団フロントには、普段以上に求められる新戦力の目利きが足りなかったのも事実だ。

 貴重なドラフト1位の枠を使った桜井は、開幕ローテに入ったものの1試合に先発しただけで故障。現在は2軍でくすぶり続けている。

 4月に日本ハムからトレードで獲得した左腕の乾は制球が課題。球団幹部は「いい時を見ている。ウチなら直せる」と話していたが、1軍では中継ぎで2試合登板しただけ。2軍でも32回で34四死球と相変わらずだ。

 6月にはベネズエラ人左腕ガブリエルを緊急補強。四国アイランドリーグplusでプレーしており就労ビザは取得済みで、すぐに実戦投入するべくファームでのテスト登板にこぎつけたが、視察した2軍首脳陣が「こんなに球が遅いの?」と待ったをかけた。球団幹部は「他国でプレーする選手も調査したが、総合的に見て彼が一番いい」と獲得を決めたが、ここまで1軍昇格はない。

 老川オーナーは「今までの経過を見るとエラーが多い。勝てそうなチャンスで、今一歩で逆転されることもしばしば」と問題点を列挙した。前者はギャレットの守備力を見誤り5月まで一塁手で起用したこと、後者は山口の衰えが指摘される中で“勝利の方程式”を再整備する補強がなかったことに問題がある。

 優勝した広島との戦力差は明らかだ。チーム編成でこうした失態が繰り返されるようでは、高橋監督は2年目も手駒不足での指揮を強いられ、V奪回もおぼつかない。

最終更新:9月14日(水)17時19分

夕刊フジ