ここから本文です

大谷の「最速164キロ」なぜ打たれる?遠藤一彦氏が一発回答

東スポWeb 9月14日(水)16時30分配信

 日本ハム・大谷翔平投手(22)が13日のオリックス戦(札幌ドーム)に先発し3回、糸井への初球に164キロをマーク。自身の持つ日本最速記録を1キロ更新した。だが、この球を糸井に2点適時打され、5回4安打2失点。チームは4―2で逆転勝ちし、2位ソフトバンクと1ゲーム差にした。それにしてもどうして164キロが打たれてしまうのか。大谷の「剛速球」が抱える問題点を、本紙評論家の遠藤一彦氏がズバリ指摘した。

 大谷が再び球史を塗り替えたのは3回一死二、三塁。打者・糸井の内角を襲った初球は日本最速を更新する164キロ。しかし、バットに空を切らせることはできず、詰まった打球は右前へポトリと落ちた。先制の2点適時打となった。捕手・大野は外角を要求、制球ミスだった。大谷は「逆球だったのでイメージした通り行かなかったですし、結果的に打たれた」と振り返った。

 なぜ、バットに当てられるのか。遠藤氏はこう指摘する。「直球が来ると分かっているのなら、プロの打者ならバットに当てられる、という人もいるけれど、僕はそれでも『分かっていても打てない』というボールはあると思う。あれだけ速いボールならなおさらですよ。ならば、なぜ160キロ超のボールでも空振りが取れないのか。僕は大谷の直球は、打撃練習用マシンの『アーム式』のボールに近いのではないか、と見ています」

 どういうことか。「もちろん大谷の投球フォームが『アーム式』だというわけではありません。むしろいいフォームの部類に入ると思うのですが、ボールをリリースする時の『最後の一押し』が足りないのではないか。スピンがいまひとつかかっていない、すなわち『ボールのキレ』が足りないから、バットに当てられているのではないでしょうか」

 実際、大谷の公式戦における最高球速更新時を振り返ると明らかだ。2014年8月3日のソフトバンク戦で7回に李大浩に投じた日本人最速タイの161キロはファウルされた。14年10月5日の楽天戦で初回、銀次に投じた日本球界タイの162キロは二ゴロ。この日はこの後も計3度、162キロをマークしたが、ファウル、二塁内野安打、ファウルだった。

 今年の6月5日の巨人戦で4回にクルーズへの4球目は当時の日本球界最速の163キロ。結果はバックネットを直撃するファウルだった。また、14年7月19日のオールスター第2戦の初回、阪神・鳥谷への2球目は162キロをマークしたが、ファウルされている。

 対策はあるのか。遠藤氏はこう語る。「なら、どうすればいいのか。本人も取り組んでいるようですが、ボールのキレを磨くしかないでしょう。それには、とにかく投げ込むしかないんです。このあたりはキャンプから投手一本で練習していない大谷だから、仕方のないことなのかもしれませんが、逆に言えば、まだまだ恐ろしい可能性を秘めているということ。キレが増した直球は手元でグンとホップするような、それこそ『分かっていても打てない』というボールになると思いますよ」

 起用法はどうなのか。「栗山監督は、そんな大谷をうまく使っていると思います。このところ打者として専念させたことで、先発投手としては一番苦しい8月から9月にかけての時期を、いい休息にできたのでは。表向きの登板回避の理由はマメの影響ということですが、結果的に投手を休ませながら打者としてフル回転させたことで、投手としてフレッシュな状態で終盤を迎えられています」

 遠藤氏はこう締めくくった。「最後に、大谷に言いたいことは『打者はいつでもできる。投手として鍛錬を積むのは今しかない』ということ。速いだけの直球ではなく『分かっていても打てない』という本当の剛速球を手に入れてほしいものです」

最終更新:9月14日(水)22時18分

東スポWeb

スポーツナビ 野球情報