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「世界文化賞」現代米映画界の巨匠、マーティン・スコセッシ監督が受賞

サンケイスポーツ 9月14日(水)7時0分配信

 世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第28回受賞者(5部門5人)が決まり、13日、同賞国際顧問の中曽根康弘元首相(アジア委員会委員長)が東京都内で発表した。演劇・映像部門は、パワフルな映像と深い洞察力を示すドラマ作りで知られる現代アメリカ映画界の巨匠、マーティン・スコセッシ監督(73)が受賞した。授賞式典は10月18日に東京・元赤坂の明治記念館で行われる。

 言わずと知れた米映画界を代表する巨匠。ニューヨークを舞台に、道徳や宗教的なテーマを通じて、社会の暗部や人間精神の奥底をあぶり出すような作品を多く撮ってきた。

 「暴力は、大きな問題であると同時に人間存在の一部。真実の姿を、できる限り正確に描写しなければならない」

 1942年11月17日、米ニューヨーク市でイタリア移民の家に生まれ、同市リトル・イタリー地区に育つ。幼少時はぜんそくで、スポーツなどを禁じられていた。外で遊ぶ代わりに連れていかれた映画館で、映画の魅力にひかれるようになる。

 ニューヨーク大映画学科在学中から映画製作に取り組み、同大映画大学院修了後の67年、初の長編映画「ドアをノックするのは誰?」を監督。早くから注目を集める。

 70年代からは、ロバート・デ・ニーロ(73)を主演に起用。76年の「タクシードライバー」では、腐敗した現代社会で孤独感から精神を病むタクシー運転手の姿を描き出し、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した。

 以降も「レイジング・ブル」(80年)で全米映画批評家協会賞監督賞、「グッドフェローズ」(90年)でベネチア映画祭監督賞を受賞するなど、コンビによる受賞歴は数多い。

 今世紀に入ってからは、レオナルド・ディカプリオ(41)を主演にした作品を多数手掛け、2006年の「ディパーテッド」で初のアカデミー賞(作品賞・監督賞)を受賞した。一方で、90年に非営利組織「映画財団」を設立し、映画の補修・保存にも力を尽くす。

 フランシス・フォード・コッポラ(77)、スティーブン・スピルバーグ(69)、ジョージ・ルーカス(72)らと交友があり、日本映画界でも黒澤明をはじめ親交の深い監督は多い。

 最新作は遠藤周作原作の「沈黙-サイレンス-」。米国では11月か12月の公開を予定。日本では来年初めの公開が検討されている。

最終更新:9月14日(水)7時0分

サンケイスポーツ