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<パラ競泳>4年後見据えた銅 主将・山田「ようやくです」

毎日新聞 9月14日(水)11時54分配信

 【リオデジャネイロ岩壁峻】リオデジャネイロ・パラリンピック第7日の13日、競泳(運動機能障害S9)男子50メートル自由形で、山田拓朗(25)=NTTドコモ=が銅メダルを獲得した。今大会の日本競泳チームの主将は4度目のパラリンピックで初めて表彰台に上がり、金メダルのマシュー・ワイリー(英国)が「かっこよく見えた」という。高みを知れば欲は出る。目指すのは4年後の頂点だ。

 予選のタイムは26秒20。4位だった2012年ロンドン大会での自己ベストを0秒02更新した。「力が水にしっかり伝わるというか、逃げる感覚がない」と好感触を得た山田は決勝に向け、メダル獲得の目安と踏んだ25秒台を宣言。課題のスタートに成功し、トップ集団と最後まで横一線の激闘を演じた。タイムは26秒00。予選よりさらに記録を伸ばしたが、目標には100分の1秒届かなかった。

 生まれつき左肘から先がない山田は「できないことはない」という気持ちが支えになっている。母房枝さん(56)ら家族の方針で、小学校の掃除の時間は、蛇口にぞうきんを引っかけて右手で絞った。ひも靴を欲しがると、器用に結んでみせた。シャワーを浴びることすら拒んだ水嫌いを克服するために始めた競泳だったが、2004年アテネ大会に日本パラリンピック史上最年少の13歳で出場した。

 この日、100メートル平泳ぎで銅メダルを獲得した木村敬一(26)=東京ガス=とは常に切磋琢磨(せっさたくま)してきた。大会前に主将を決める際にエースの重圧をおもんぱかって「敬一君にはより競技に集中してもらいたい」と進んで名乗り出た。だから山田のメダル獲得を木村は跳びはねて喜んだ。自分だけメダルを獲得できないことに焦りも感じていたという山田は「ようやくですね」と、ほっとした表情を見せた。

最終更新:9月14日(水)12時23分

毎日新聞