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コレ1枚で分かる「未来を味方に付け、ビジネスを切り開く3つのステップ」

ITmedia エンタープライズ 9/14(水) 16:35配信

●「戦略」「作戦」「戦術」の3ステップでビジネスを創出

 ITの進化は急激であり、破壊的でもあります。一方で、ビジネスの可能性を切り開くイノベーションの源泉でもあります。そんなビジネスの未来を味方に付けるためには、「戦略」「作戦」「戦術」の3つのステップで進めていくといいでしょう。

【画像】未来を味方に付け、ビジネスを切り開く3つのステップとは

・ステップ1:戦略(Strategy) 目指すべきゴール、すなわち「あるべき姿」を明らかにし、それを実現するためのシナリオである「ビジネスモデル」を描く取り組み。
・ステップ2:作戦(Operation) この戦略を実現するための一つ一つのプロジェクトである「ビジネスプロセス」を組み立てる取り組み。
・ステップ3:戦術(Tactics) そのプロジェクトを遂行するための手段や道具である「使い勝手や見栄え」をつくり込む取り組み。

 それでは、順に見ていきましょう。



●ステップ1:戦略(Strategy)

○あるべき姿を明確にする

 手段を使うことが目的ではありません。現場の課題を解決し、ビジネスを成功させることが目的です。そのためには、「成功したときの状態」=「あるべき姿」を具体的に描き、それを実現することに取り組まなければなりません。

 「あるべき姿」とは、

・結果としてどうなっていたいのか
・これができたら「成功」といい切れる姿
・理想のゴール

を表現したものです。これを明確にすることが最初の一歩です。例えば、

・この分野では業界トップの地位を確保したい
・顧客満足度ナンバーワンの評価で顧客を虜にしたい
・「一時的な売上の積み上げ」から「長期継続的な収益の積み上げ」に事業転換を図りたい

どうやって実現するかではなく、結果として「どうなっていたいか」の具体化が最初です。

 このとき、「とても今の自分たちにはできそうにない」などといった「現実」はいったん棚上げしてください。「現実」を考えはじめると、それらが足かせとなり、大胆な発想はできなくなってしまいます。「どうなっていたいのか=結果」を純粋に追求することです。「現実」にはやがて向き合うことになりますが、まずはこの段階では理想を求めることが大切です。

○ビジネスモデルと実現のシナリオを描く

 次に、この「あるべき姿」を実現するためのビジネスモデルやそこに至るシナリオを、「思想としてのIT」を前提に大胆な発想で考えていくといいでしょう。例えば、

・これまではコストが掛かりすぎてとても考えられなかった
・高度な熟練が必要で人間にしかできなかった
・業務の連携や人のつながりが簡単には作れなかった

 かつての非常識は今では常識になっていることも少なくありません。「そんなことはできるはずはない」といった思い込みにとらわれずに、テクノロジーのトレンドやデジタルビジネスの事例を丁寧に調べ、新しい常識で可能性を探ることです。

 例えば、商品を買ってくれたお客さまがどのような使い方をしているのかを知るためには、登録されている顧客情報を頼りにアンケートをお願いするか、調査会社に調査を依頼するしか方法がありませんでした。そのため、そういう調査に協力的な一部のサンプルからしかデータを集めることができず、不完全なデータから推測するしかなかったのです。

 しかし、センサーや通信装置が小型・高性能化して単価も劇的に安くなったこと、さらには誰もがスマートフォンを持ち歩くようになったことで、状況は一変しました。

 商品にあらかじめセンサーや通信機能を組み込んでおき、スマートフォンと連携して商品の付加価値を高めるサービスを提供します。そのサービスは、「使いたい」あるいは「使わないと損」だと思わせるような魅力的なものでなくてはなりません。そうしておけば、お客さまの利用状況をリアルタイムに、しかも完全に把握することができます。

 また、何らかのオンラインサービスを提供するに当たり、利用者一人一人の使い方や趣味嗜好を捉え、それに合わせてメニューを変えてサービスの魅力を高めたい、あるいは適切なオプションサービスを提案して収益を増やしたい、と考えたとしましょう。そのためには、高度な分析機能やその結果の解釈、それに基づく推奨機能などを組み込む必要があります。それには高額なパッケージソフトウェアを購入し、専門のエンジニアを雇わなくてはなりませんし、そんな仕組みを自ら開発しなければなりませんでした。これにはなかなかの覚悟が必要です。

 しかし、今ではこのようなことをやってくれる人工知能サービスがクラウドで提供されています。しかも使った分だけ支払う従量課金型のサービスですから、先行投資リスクもありません。これを自社のサービスに組み込むこともできる時代になりました。

 もちろんそれを使いこなすためのスキルは必要ですが、技術的な難しさは軽減され、業務のプロフェッショナルであっても、ちょっと勉強すれば使えるようなサービスも登場しています。

 こうしたことは、数年前までは非常識なことだったかもしれませんが、今では十分に実現可能となっています。

 このような情報を得るには、ネットや書籍で調べることもできますが、ベンチャー企業や大学などとの共同研究、優れた技術やアイデアを集めるイベントの開催やコミュニティーに参加するなど、情報感度を高くして最新の事情に触れ、知恵や知識を持つ人たちとつながっておく取り組みも効果的です。事実、IoTやFinTech、人工知能などの分野では、大企業とベンチャー企業、大学などが一緒になってコンソーシアムを立ち上げる例が増えています。

●ステップ2:作戦(Operation)

 次の段階として、「仕組みとしてのIT」を練り上げることです。どのような手順で、どのような手続きを行い、どのようなやり方で結果を出すか。そんなビジネスプロセスや業務手順を明確にして、それを実現するために最良の手だてを考えていきます。

 ここでもITの可能性を追求することです。例えば、

・スマートフォンで写真を撮れば自動的に報告書のひな型が作成され、進捗の予実についても自動的にアップデートされる
・機械の操作を音声の指示だけで行い、関係者への連絡や通知も音声だけで行い、必要とあればそれを文章にもしてくれる
・データを入力すれば、そのデータの内容を分析し、自動的に最適な図表を作成してくれる

 これらのことは既に実現可能です。このようなITでできることを前提に仕組みを作れば、仕事の効率や精度を飛躍的に高めることができるはずです。

●ステップ3:戦術(Tactics)

 次は「道具としてのIT」の使い方です。例えば、

・どのタブレット端末がコストパフォーマンスが高いか
・どのパッケージソフトウェアが最適か
・どの開発ツールを使えば開発の生産性を高かめられるか

 これから行おうとしている「作戦」にふさわしい手段として最適なものはどれか、また、それを使えるようにするための手順や使いこなすためのスキルをどのように身に付ければいいのかについて、ITの専門家である情報システム部門やITベンダーに提案を求めるとよいでしょう。

 注意すべきは、実績や経験にこだわり、新しいことをちゅうちょする保守的な人たちの存在です。「失敗を許さない減点文化」の企業には、このような人たちも少なくありません。

 しかし、これまでも度々話してきた通り、ITの進化は日々常識を塗り替えています。その前提に立ち、その時々の新しい常識で「道具としてのIT」の選択肢を模索しなければ、成果も制約されてしまいます。

 だからこそ、事業に責任を持つ経営者や事業部門の人たちが、ITの可能性と限界を正しく理解し、試行錯誤での取り組みを許容する態度を持たなくてはなりません。そんな文化を築いていくことも、これからのビジネスを創り上げるためには必要な態度といえるでしょう。

最終更新:9/14(水) 16:35

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