ここから本文です

【パラ競泳】木村敬一、50自由形で銀!7月の失格ミスを糧に成長

スポーツ報知 9月14日(水)6時7分配信

◆リオデジャネイロ・パラリンピック ▽競泳(12日)

 【リオデジャネイロ(ブラジル)12日=細野友司】競泳男子50メートル自由形(視覚障害S11)決勝で、木村敬一(26)=東京ガス=が26秒52で銀メダルを獲得。金メダルを狙う本命種目の100メートル平泳ぎ、バタフライへ大きな弾みをつけた。

 木村は夢中で肩を回した。スピード勝負の後半でぐんぐん加速。1位の米国選手には約1秒離されたが、自身パラリンピック初となる堂々の銀メダルだ。「良くて3位かと思っていた。自己ベストが出たし、興奮している。バテる心配もないくらい十分に練習をしてきたし、自信があった」と胸の高鳴りを隠さなかった。

 スタートのミスを吹き飛ばすくらいの余裕があった。飛び込み姿勢が低くなり、水中の深い位置まで潜りすぎたことで右寄りに曲がった。コースロープに当たって「これは大変だ!」と思いながらも、気持ちは落ち着き払っていた。7月のジャパンパラ大会で同様のミスにより失格した経験を思い出し、冷静に向きを修正した。「同じ感じでやっていたから立て直せたのかな」と照れ笑い。失敗を糧に成長する確かな強さを示した。

 先天的な病気で2歳で視力を失い、10歳で競泳と出会った。逆三角形の体が物語るように、上半身のパワーが持ち味。2008年北京大会で初出場し、12年ロンドン大会は100メートル平泳ぎで銀、バタフライで銅。木村はそれで満足しない。金には何が足りないのか。この4年は課題だった下半身を強化し、体重7キロ増。後半の落ち込みを改善した。「何をするにも、頭のどこかに競泳がある生活。前に比べて、選手っぽくなったと思う」。泳ぎ込むにつれ、心にも次第に自信が芽生えた。表彰台は必然だった。

 木村は願う。「パラリンピックの競泳は、障害のある人が体ひとつで泳ぐ。その姿で、人間の可能性を垣間見てもらえれば」。さらなる自己ベスト更新とメダルの可能性を、自分自身も信じている。今後は金メダルを狙う本命種目の一つ、100メートル平泳ぎに参戦。「これからレースも続くので頑張りたい」とメダル量産を思い描いた。

最終更新:9月14日(水)18時21分

スポーツ報知