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<辺野古訴訟>民意、国防に及ぶか16日判決 高裁那覇支部

毎日新聞 9月14日(水)23時4分配信

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設計画を巡り、移設先の名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分に対する是正指示に従わないのは違法として、国が翁長雄志知事を相手取った違法確認訴訟の判決が16日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で言い渡される。国の専権事項とされる国防・外交と、地方分権改革を経て国と対等になった地方の民意との間で、司法がどう判断を下すかが注目される。

 辺野古移設に関する初の司法判断で、争点は翁長知事の承認取り消し処分の適法性。国側は「前知事が出した承認の判断に法的欠陥はなく、取り消した知事の処分は裁量を超えている」と主張し、知事側は「(前知事の判断は)環境に配慮しないなど重大な法的欠陥があるため取り消した」と反論する。双方は「確定判決に従う」と明言しており、敗訴した側が1週間以内に上告する見通しだ。

 辺野古埋め立てを巡っては、昨年10月の知事の承認取り消し後、国と知事側の訴訟合戦になった。国が承認取り消し撤回を求めた「代執行訴訟」は3月に和解し、他の訴訟も取り下げになった。しかし国は7月に再び今回の訴訟を起こした。「辺野古以外に移設先はなく、知事の処分は日米関係に悪影響を与える。移設で人口密集地にある普天間の危険性も取り除ける」とし、「指示に従わない『不作為』の違法性がある」と強調する。

 本人尋問で知事は「県は国に協議を申し入れている」と述べ、国の指示に従わない違法性を否定。さらに知事選などの選挙結果を踏まえ、「沖縄の民意はぶれることなく基地は造ってはいけないと示した。地方の自由、平等、人権が一顧だにされないことになれば、日本全体の地方自治の問題だ」と訴えた。

 知事は「確定判決に従う」とする一方で、「(代執行訴訟の和解では)違法確認訴訟は予測していない」と述べ、今回の訴訟の判決が確定しても和解の効果は及ばないとの見解も示した。和解条項には「確定判決の趣旨に従って互いに協力して対応する」とあり、仮に国に有利な判決が出た場合、国が移設問題に終止符を打とうとすることに予防線を張ったとみられる。【吉住遊】

最終更新:9月14日(水)23時4分

毎日新聞