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「シリア人はもともと、難民じゃなかった」 脱サラし、現地で支援する日本人の苦悩

BuzzFeed Japan 9月14日(水)5時0分配信

内戦が6年目に突入したシリアで9月13日未明(日本時間)、今年2度目となる停戦が発効された。アメリカとロシアの合意に基づいたものだが、空爆は今も続いているとの情報もある。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

これまでの死者は推定47万人。その多くが市民たちで、さらに480万人以上が国外に避難した。内戦前の人口の20%を超える人数だ。

そんな窮状に少しでも手を携えようと、「脱サラ」をしてシリア隣国のヨルダンに移住し、避難してきた人たちの支援を細々と続ける日本人男性がいる。

「彼らはシリアに帰ることを一番願っているんです。シリアの人たちが、自分の国に帰れる日まで支えていきたい」

そう話すのは、シリア支援団体「サダーカ」代表の田村雅文さん(36歳)。妻と、5歳の息子と3歳の娘とともに、ヨルダンの首都・アンマンに暮らして4年になる。

英国の大学院で国際開発学を学び、日本で民間企業に勤務していたが、2012年春、会社を辞めてサダーカを設立。ヨルダンで仕事を見つけ、移住した。現地で農業開発の仕事に就き、週末にシリア難民の家庭訪問を続けている。

可視化されない「都市難民」

シリアからヨルダンに移って避難生活を送る人たちは、約60万人。その約10%が難民キャンプで暮らす。それ以外の大多数は、都市部にアパートを借りて、家賃を払って生活する「都市難民」だ。

キャンプに住む人たちに注目が集まる一方、街中に散らばって暮らす年難民の全容は把握しづらい。就労許可が下りないことも多く、その場合は貯金を食いつぶすしかない。月100~150JD(日本円で1万4千~2万1千円)ほどの家賃の支払いでギリギリだ。

サダーカは、これまで計300世帯の都市難民を調査。母子家庭だったり、父親が負傷したりしている7家族を対象に、日本で集めた毎月数千円の寄付金を渡したり、食料を配ったりしている。

「訪問では、彼らの辛い現状だけではなく、シリアでどんな生活をしてきたのかを聞いています。紛争になる前の話を聞くと、『あんなことあったよね』と笑顔になったり、家族の話に花が咲いたりする。ほっとする瞬間を提供したいんです」

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最終更新:9月14日(水)5時0分

BuzzFeed Japan