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セレナが普及価格帯でも自動運転機能を搭載できたコスト削減手法とは

ニュースイッチ 9月14日(水)7時41分配信

日産の車両開発責任者・磯部博樹氏に聞く

 自動運転技術「プロパイロット」を搭載すると決まったのはコンセプト作りに着手してから間もなくの2013年秋から冬にかけて。コストがかさむ新技術を搭載するところで、価格帯を前モデルから据え置く目標は変えられなかったからコスト減に苦労した。

 日産は、モジュール化によって開発や調達コストを大幅に減らす新設計手法「コモンモジュールファミリー(CMF)」の適用車種を拡大しているが、セレナはその対象外だ。

 それでもステアリングなどCMFで採用されたモジュールを流用し、CMFの規模のメリットをできるだけ生かした。プラットフォーム(車台)は前モデルを流用した。形は同じでも板厚を下げるなどの改良も施した。

 前モデルは最近まで日産自動車九州(福岡県苅田町)で作っていたが、その前は日産車体(神奈川県平塚市)で作っていた。このため神奈川から九州に納めていた部品が結構あって物流コストがかさんでいた。今回の全面改良にあたり九州地場のサプライヤーからの調達を増やし物流コストを浮かした。

 プロパイロットのシステムも単眼カメラと画像処理ソフトというシンプルな構成なので、カメラを複数使ったり、レーダーを使ったりするよりコストを抑えられている。

 プロパイロットは安全に関わる重要な新技術だ。信頼性を上げるために主要な国内の高速道路はすべて走った。誤認識が起こる場所があったらソフトを改良してまた現場に行って試すということを繰り返した。

 先行車両を検出していることや、ステアリング制御が作動していることなどシステムが今どういう状態になっているかを運転者にわかりやすく伝えるインターフェースにするようにも気を配った。

 車に触れずに開閉できるスライドドアを世界で初めて搭載するなど使い勝手の良さにもこだわった。1991年の初代から家族の楽しみを追求してきた。今回は登り棒や滑り台などが合わさった複合的でカラフルな遊具をイメージした。大人でもわくわくする要素をたくさん詰め込んでさらに進化を遂げた。

【記者の目・主力車種で国内販売立て直し】
 目玉はプロパイロットだろう。同様の機能は高級車で市販されているが、普及価格帯では業界初といい、自動運転に一歩近づく高度な技術が一般消費者にどう受け止められるか業界での注目度は高い。一方セレナは日産の登録車の中で販売規模は3本の指に入る主力車種。長期低迷する日産の国内販売の立て直しにつながるかという点でも注目だ。
(文=池田勝敏)

最終更新:9月14日(水)7時41分

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