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“T部長“土屋敏男が語る「電波少年」舞台裏と、今VRにときめく理由

SENSORS 9月14日(水)10時21分配信

『進め!電波少年』にてそれまでタブーとされていた家庭用ビデオカメラでテレビ番組を作ったり、CGやインターネットなどをいち早く活用したり、様々な斬新な施策を行ってきた伝説のプロデューサー・日本テレビ土屋敏男。 彼は「既存のルールに囚われずに、テクノロジーを活用することが新しいエンターテインメントを生み出す」と語る。VRを軸に彼の挑戦とそこから我々が学ぶべきテクノロジーと表現者の関係を紐解く。

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■「新しいテクノロジーが新しいエンタメ企画を生む」

読者は『進め!電波少年』という番組をご存知だろうか? アポなしロケ、突撃などさまざまな無茶に挑戦した伝説的バラエティ番組だ。 松本明子と松村邦洋の顔がCG世界に浮かぶ特徴的なスタジオ部分や、有吉弘行ら(猿岩石)のヒッチハイク、なすびの懸賞生活など常識をぶち破る企画の連続がテレビ界の伝説として今も語り継がれる。 その伝説の番組の演出・プロデューサーとして、自らも番組内で出演していた“T部長“こと日本テレビ土屋敏男がこの6月に日本テレビ内に生まれた「日テレラボ」に所属し、最近ではVRの可能性を探っているという話を聞いた。 名テレビプロデューサーはVRやテクノロジーにどのような可能性を感じているのか?取材した。


--SENSORSではいままで何度もVRについて取材しております。例えばゲームクリエイターの水口哲也氏のVRシナスタジアスーツやビョークのVR体験など。その度に現場で土屋さんをお見かけし、名プロデューサーの土屋さんがVRのどこに魅力を持っているのか伺いたく思っておりました。VRのどこに可能性を感じているのか?教えていただけますか?

土屋: 最初にOculus Riftが出てきた時も気になってはいたんだけど、VRすごい!とインパクトを受けたのは水口哲也氏のVRコンテンツや、2015年秋マカオのホテルで体験したバットマンVRでした。

「新しいテクノロジーが新しいエンタメ企画を生む」ということを『進め!電波少年』を経て実感した自分としては、水口さんやバットマンVRインパクトがあってから、一気にVR研究を進めています。

--『進め!電波少年』の際に「新しいテクノロジーが新しいエンタメ企画を生む」を実感した、とのことですがどのようなテクノロジーが番組を作るキッカケになったのでしょうか?

土屋: SONYのHi8という家庭用ビデオカメラの登場が僕のテレビ制作スタイルを変えそれが今のテレビのバラエティの現場を変える流れを作ったと思っています。それまではテレビ番組を制作するためには、ディレクター、カメラマン、照明、音声・・・と10名近くの関係者が不可欠だったのですが、SONYのHi8は持ち運びが出来るサイズなのに、画質も良いのでディレクターがカメラマンを兼任できる、と初めて製品に出会った時に衝撃を受けました。

Hi8で撮影すればいままでにない番組が作れそうだという期待感と、下手なカメラマンと一緒に仕事しなくてもいいんだという開放感を今でも覚えています。

私は28歳の時にテリー伊藤さんと『元気が出るテレビ』でご一緒させていただいたのですが、その時にテリーさんから「ディレクターはモニターを覗き込みながら、どのような絵が撮られているか意識して番組を作れ」と教えこまれたのですが、ディレクターの意図を介してくれるカメラマンと、そうでないカメラマンとが居て。 後者のカメラマンに番組を作る上でフラストレーションを感じることもあったので、Hi8を使えば自分がカメラマンを兼任しつつディレクターができ番組が作れることが嬉しかったんです。

--ディレクターがカメラマンを兼任できるメリットはどのようなモノがあるのでしょうか?

土屋: ディレクター一人で撮影ができるとなると、企画の幅が広がります。「ヒッチハイク」は旧来の撮影体制では物理的に実現不可能でした。なぜなら演者含めて総勢10名程になるテレビ番組スタッフの移動をヒッチハイクで追うには、毎回バスをヒッチハイクしなければ成立しない。これがディレクターがカメラマンを兼任できれば、演者とプラス1名で成立するので、今までの不可能が可能になる。

ということで、出来上がったのが有吉弘行らのコンビ・猿岩石によるユーラシア大陸横断ヒッチハイク企画でした。猿岩石とディレクターと、SONYのHi8。音声はピンマイクを改良してカメラに付けて決行しました。

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最終更新:9月21日(水)14時38分

SENSORS