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「審査が不透明」不満相次ぐ 震災関連死却下に遺族 熊本地震

西日本新聞 9月14日(水)10時45分配信

 熊本地震で避難生活の負担などにより亡くなった「震災関連死」の認定を巡り、遺族から「審査が不透明で、認定の線引きもあいまい」との不満が相次いでいる。市町村側の審査は非公開で、遺族に詳しい説明もないためだ。東日本大震災では、自治体間の認定結果のばらつきが問題に。最大500万円の弔慰金は公金が充てられるだけに、識者は「自治体に判定結果の説明責任がある。判断に差がないか検証する仕組みも必要だ」と指摘する。

 熊本地震では、家屋の下敷きなどによる直接死が50人。関連死は13日時点で43人が認定されたが、10人は却下された。医師や弁護士で構成する審査会を熊本市など熊本県内の7市町は単独で設置し(予定を含む)、益城町など13市町村は合同審査会を設けた。

 ただ審査会の会合はいずれも公開せず、「公平性を保つ」(熊本市)として委員名も明らかにしていない。類似する死亡例にもかかわらず、判断が審査会によって割れる事態も想定されるほか、関連資料も情報公開されないため、客観的な事後検証も難しい。

 東日本大震災後、宮城県内では、関連死の申請に対し、単独で審査した自治体が約7割を認めた一方で、県に審査を委託した自治体は約4割にとどまり、認定率のばらつきが問題視された。

 熊本県内では、審査結果の通知方法に不信感を抱く遺族もいる。県内のある自治体の却下通知には「地震による因果関係が認められない」との一文のみ。担当者の説明も短時間で、ある遺族は「詳しい説明はない」とこぼす。制度上、不服申し立ては可能だが、認められなければ訴訟で争うしかない。

 日大危機管理学部の福田充教授は「判断にばらつきが出ないよう、国が一定の指針を示すべきだ」と話す。災害弔慰金支給法を所管する内閣府の担当者は「災害の状況はそれぞれ違い、実情をよく知る市町村が判断してほしい」と述べ、国が主導する新たな基準策定には否定的だ。

「いったい誰がどう判断したのか」

 避難所、仮設、車中泊…。熊本地震発生後の過酷な日々の中で命を落とした人たちがいる。震災関連死の認定申請は熊本県内で100件を超すが、10人は却下された。遺族にとってはあいまいにも映る命の線引き。「納得できない」。やるせなさ、不信感が漂う。

 「父は地震後、体力が落ち病院にも行けず、自宅を失ったショックも大きかったようだ」。熊本市の男性(48)は、地震後の5月に持病が悪化して亡くなった父=当時(70)=の様子を振り返った。

 地震で自宅が全壊した。父は母(72)と近くの小屋に避難し、約10日後に病院に救急搬送され、帰らぬ人に。5月、市に災害弔慰金を申請したが、8月に届いた通知は却下。「いったい誰がどう判断したのか」。市に問い合わせたものの、明確な答えはない。すぐに不服を申し立てた。

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最終更新:9月14日(水)11時6分

西日本新聞

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