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国内薄板市場「原料高転嫁待ったなし」、原料炭急騰に高炉メーカーが危機感

鉄鋼新聞 9/14(水) 6:00配信

 7月末の薄板3品在庫が2年半ぶりに400万トンを切るなど国内薄板市場で市況改善の環境が整いつつある中、足元で日本高炉メーカーを悩ませているのは石炭スポット価格の急激な上昇だ。

 原料炭のスポット価格はトン当たり180ドルを超え、直近8月中旬の90ドル台から2倍の水準に急騰している。
 日本鉄鋼メーカーの業績は、16年4~6月決算を見ると「このままの価格水準では企業として再生産もままならない」(メーカー幹部)という低収益にあえいでいる。仮に原料炭価格が大幅コストアップでの妥結となれば、高炉各社などが打ち出している値上げの早期完遂は待ったなしの状況となるのはもちろん、値上げ幅の見直しが必要となる可能性もある。
 コイルセンター(CC)など流通各社では、足元でメーカーから値上げ玉が入荷し始めており、販売価格の唱えを上げていく方針を打ち出している。原料炭価格が大幅上昇した場合のメーカー追加値上げを想定すると、足元の値上げ分は早期に価格に反映させる必要に迫られる。
 そうした中で、メーカー・流通関係者は輸入材動向をこれまで以上に注視しており、数量のみならず価格動向についても従来にない水準まで警戒レベルを上げている。
輸入材価格の監視強化/数量横ばいも安値警戒
「AD要件を満たしつつある」の見方も
 輸入材価格の動向は、品種別で見ると特に国内薄板マーケットへの影響が大きいと言える。輸入材全体の数量は内需の1割前後で、絶対量が増えているわけではないが、薄板店売り・リロール向け分野に限ってみれば一定の高シェアを保ち、かつ価格影響力は依然として大きい。
 輸入材は韓国と台湾の2カ国で約8割を占めるが、年初来、国際市況ならびに韓国・台湾からの他地域向け輸出価格の上昇に対し、韓・台からの輸入材入着価格は一度下がり、そこから底ばっている。
 特に日本の業界関係者が注目したのが7月の輸入材の入着価格。韓国・台湾の国内価格の動きから考えて「当然上がっているはず」と予想した向きが多かったが、実際には「ほぼ横ばい」の意外な結果に驚きと懸念が広がった。
 一方で、韓国・台湾ではメーカー値上げで国内価格は上昇しており「対日価格が国内価格を下回るダンピング(安売り)状態にある」(高炉筋)と言えそうだ。
 日本鉄鋼業界はモニタリング(監視)レベルを上げており、メーカー関係者は「仮にアンチダンピング(AD)提訴をするには(1)ダンピング(2)被害―の2要件が必要だが、4~6月期決算を見ると日本ミルに『被害』を与える構図になっている。二つの要件を満たしつつある」とみている。仮に今後もこの状況が続くのであれば「日本鉄鋼業界として、速やかにもう一段の通商問題対応が必要になってくる」(関係筋)との指摘が出てきた。

最終更新:9/14(水) 6:00

鉄鋼新聞

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