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日高町・千呂露橋の仮橋開通 ライフラインの復旧はまだ

苫小牧民報 9月14日(水)16時3分配信

 台風10号の大雨の影響で崩れ落ちた日高町千栄(ちさか)の国道274号千呂露(ちろろ)橋の仮橋が13日午後、開通した。崩落で孤立した橋の上流地域の避難住民らが、久しぶりに自宅へ一時戻り、安堵(あんど)の表情を見せた。しかし、断水や停電が今も続いており、避難者全員が帰宅できるにはなお時間がかかる見通し。住民から早期復旧を求める声が高まっている。

 仮橋(全長69メートル、幅5・8メートル)は、室蘭開発建設部が橋崩落地点の沙流川の上に鉄骨を組み、鉄板を敷き詰めて設置。同日午後1時に開通させた。通行できるのは、許可書を持つ千栄の住民と工事用車両、緊急車両に制限。同日は場所と時間を限定し、報道機関の一時立ち入りが認められた。孤立した集落の沙流川近くにある家屋周辺は、大雨の増水で川から流れ込んだ泥で埋まり、公園には流木が散乱。道路にも砂がたまっていた。

 橋の上流には33世帯が暮らしていたが、今も下流の日高地区の避難所などで19世帯が避難生活を送っている。

 仮橋の開通に伴い、避難住民が自家用車で一時帰宅。家族5人で同地区の避難所「若葉会館」に身を寄せて半月になるという本間由佳さん(36)は「橋を渡ったとき、涙が出た」と振り返った。自宅は無事だったものの、水も電気も使えない状態。取りあえず家族の洋服を避難所へ持ち帰ったが、「避難所は朝晩寒くてつらい。早く普段の生活に戻りたい」と話した。

 同地区の高齢者施設「くるみ荘」で避難生活を送る洞内金四郎さん(81)は、この日初めて一時帰宅できた。「家の周りは泥で埋まり、ひどい状況だった」と語る。自宅の建物への被害は少なかったが、川の近くでは泥まみれになった家もあったという。「停電しているので、自宅に戻っても炊事もできない。まだしばらく避難生活が続きそうです」と深いため息をついた。

最終更新:9月14日(水)16時3分

苫小牧民報