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中国の自販機が日本以上にデジタル化しているワケ

ニュースイッチ 9月14日(水)8時23分配信

富士電機、シェア首位堅持へ新工場建設。次の工場も視野に

 富士電機が中国での自動販売機事業の拡大に向け、アクセルを踏み込む。このほど第2工場の新設を決め、2018年度末までに同国での年産能力を現行比2倍の10万台に引き上げる。さらに生産能力を上積みする構想もあり、シェア首位を堅持する方針だ。一方、今後は価格競争の激化が予想されるほか、現地ニーズに合わせた機器開発の必要性が高まる。朝日秀彦執行役員常務に今後の舵(かじ)取りを聞いた。


(朝日秀彦氏)

 ―中国で自販機事業が急成長している理由は。
 「10年以上前は現地の自販機で売る飲料の価格は、店舗販売の2倍だった。それが08年の北京五輪から店頭価格が上がり、差が縮まって自販機の利用が増えた。当社は合弁企業を設立し03年から現地で事業展開している。有力飲料メーカーとのつながりもあり、市場拡大の波に乗れた」

 ―総額50億円を投じ大連市に第2工場を新設します。
 「現地の大手飲料メーカーが自販機ビジネスに関心を示しており、今後、加速度的に設置台数が増えるとみている。第2工場で確実に需要に応える。また古い機器のオーバーホールの需要も高まってくる。新たに既存工場に修理機能を設け、関連サービスを本格化したい」

 ―現地メーカーのコスト競争力は高いです。どう対抗しますか。
 「日本の自販機市場は10年以上前から縮小傾向にあり、当社は徹底的にコスト競争力を磨いてきた。このノウハウを中国に移管する。第2工場の設立に伴って規模の効果も出せるので、現地メーカーと十分に戦っていける」

 ―中国向け自販機の開発の方向性は。
 「足元では中国の自販機のほぼすべてが電子決済に対応している。液晶ディスプレーを搭載し、電子メディアの役割を果たしているケースも多い。今後もデジタル化が進む。当社としては日本で培った品質、コスト競争力に加え、業界の平均以上のデジタル機能を実現していく。そのため現地のIT企業との関係をより一層強固にする」

 ―第3工場については。
 「そういった計画もちらほら出ている。大連市政府からも新設してほしいとラブコールをいただいている。タイミングをみて適切に投資判断する」

【記者の目・「攻め」の姿勢で開発を】
 富士電機の自動販売機事業の15年度の売上高は610億円で全売上高に占める比率は7%にとどまる。それでも北澤通宏社長が、ことあるごとにアピールする成長分野。その裏付けとなっているのが中国での事業拡大だ。

 すでにシェアトップで現地飲料メーカーが自販機ビジネスに乗り出す際には「まず当社に相談が来る」(富士電機幹部)という優位性を確保している。中国における自販機市場は15年度の約4万台から18年度には約17万台、20年度には約34万台まで伸長する見通し。富士電機の18年度末時点の同国での生産能力は10万台が限界。第3工場建設の決断は案外すぐかもしれない。

 中国にはロッカー機能が付いた飲料自販機があり、朝、弁当を注文すると昼にロッカーから受け取れるサービスがあるという。日本とは別の方向で自販機は進化しており、現地ニーズをくみ取った開発が欠かせない。富士電機はシェア首位に安住し「守り」に入るのではなく、「攻め」の姿勢で中国人のライフスタイルに影響を与えるような製品を生み出せるか。

最終更新:9月14日(水)8時23分

ニュースイッチ

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