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アゴ価格上昇 ブームで需要 平戸魚市 1箱1万5000円も 業者は仕入れに苦慮

長崎新聞 9月14日(水)9時19分配信

 長崎県平戸市に秋の到来を告げるアゴ(トビウオ)漁が好調だ。全国的なアゴだしブームによる需要の高まりで取引価格が上昇。平戸魚市(同市田平町)の9日の競りでは、過去最高となる1箱(約11キロ)1万5千円の値が付いた。一方、仕入れ値の高騰で地元の加工業者は対応に苦慮している。

 アゴは地元で「あご風」と呼ばれる北東の季節風で平戸沿岸にやってくる。漁期は毎年8月下旬から10月上旬。夕方になるとアゴを満載した漁船が港に入り、漁師や魚市社員らが手際よく箱詰めする姿が見られる。「今年のアゴは高級魚。1箱600円という時もあったから、最近の高価格はうれしい限り」。漁師らは口をそろえる。

 同魚市での2012、13年度のアゴの取引額は1箱平均2千円ほどだったが、15年度は約6千円まで上がった。今年は約9千円(8日現在)と価格の上昇は継続し、最高価格も15年度(7500円)の2倍に跳ね上がった。魚市の担当者は「今後の平均価格は最低でも1万円以上で推移するのでは」とみる。

 同魚市の坂田宗昭社長は「暗い話題も多い漁業にとって、アゴの価格上昇は漁師の意識向上につながる。平戸の風物詩であるアゴの水揚げを、観光客にも見てもらいたい」と話す。

 一方、同市崎方町で焼きアゴやつまみアゴなどの製造を手掛ける篠崎海産物店の篠崎繁実社長は「おいしくて“安い”魚ではなくなった」と漏らす。価格上昇を受け、取引先に商品の値上げを伝えたところ「そんな高い値段では売れない」と取引を断ってきた所もあったという。篠崎社長は「市民の味として安く食べられる魚だったので、値上げするのは申し訳ない。『アゴは高いもの』と意識を変えなければいけないのかもしれないが、しばらく状況を見守りたい」と話した。

長崎新聞社

最終更新:9月14日(水)9時19分

長崎新聞