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日本とロボット、神話のような関係

ニュースイッチ 9/14(水) 14:50配信

羽田空港で自立的に案内。信仰心に拍車

 ロボットについて、日本がユニークかつ文化的に特有で、歴史に基づいた関係を築いているという見方は、ポップカルチャーの論説などで広く受け入れられている。この説の支持者は、形を持つすべての物体は命を吹き込まれるという神道の伝統と一緒に記述され、複雑な機構を持つからくり人形の歴史を引き合いに出すことが多い。広く普及した宗教の規範と結び付いたオートマトン(自動機械)に何百年もの間、日本人が接してきたことは、ロボットを容易に受け入れ、その広がりを後押しする作用ももたらしている。そうした最新の事例を見てみよう。

 日立製作所の新しい人型ロボット「EMIEW(エミュー)3」が今月初めに発表され、羽田空港の国内線第2旅客ターミナルで、観光客にサービスを提供しようとしている。大規模な概念実証実験の第1段階では、この親しみやすい外観をした車輪付き二足歩行ロボットが、旅行客にターミナル内での道順を口頭で教えたり、日本語または英語で簡単な質問に答えたりする。第2段階では、エミュー3が顧客を近くのインフォメーションセンターまで自律的に動いて案内する。この段階は、ソフトバンクのペッパーが客先でさまざまな役割を与えられて働いているのとかなり似ている。だが、日立の狙いはより野心的だ。

 エミュー3がこうした一定の場所でうまくいけば、12月には旅行客がターミナル内で行きたい場所に自律的に案内することも始める予定だ。この実験は最終的に国際線旅客ターミナルにも拡大し、成長著しい日本の観光産業で人間の労働力の穴埋めにつながるかもしれない。それは非常に興味深く楽しい挑戦ともいえ、日立と国内線旅客ターミナルビルを運営する日本空港ビルデングは称賛されてしかるべきだろう。

 さて、冒頭の議論に戻ろう。研究室のロボットを公共空間に持ち込むことについて日本の企業が優位な地位にあることは明らかだが、それが自動化された人形や宗教的信念の遺産によるものである証拠はまったくない。確かに、ほかの多くの文化でも原始的なロボットのようなものを作っていて、神道に基づいた一連の論理は、機械に対するのと同様に信仰の対象となっている磐座(いわくら)とも関連する。

 とはいえ、20世紀と21世紀にわたって、とりわけロボットに対して強烈な焦点が当たってきたのは否めない。政府と産業界の両方とも、日本が先駆的な地位を維持することを目的に、政策と研究を積極的に推進している。歴史的に見れば、ロボットとの特別な関係は神話のようなものだが、それはエキサイティングな現代の現実でもある。その実物を見たい人には、12月に旅行を計画することをお勧めしたい。

リノ・J・ティブキー(『アキハバラニュース』エディター)

最終更新:9/14(水) 14:50

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