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きっかけは震災やマイナンバー導入 沖縄でニーズが高まる金庫

沖縄タイムス 9/14(水) 12:00配信

 重要な書類、貴重品などを保管する貸金庫や家庭用金庫の利用が増えている。東日本や熊本の震災をきっかけに貴重品を守る防災目的のニーズが高まっているほか、マイナンバー制度の導入に伴って従業員の個人情報を管理する小規模・個人事業主の活用も増えた。(学芸部・座安あきの)

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 琉球銀行では東日本大震災以降、徐々に貸金庫の新規申し込みが増えてきた。年間の利用料は1万2千~2万4千円。立地によって需要は異なるが、那覇新都心(449個)、真嘉比(194個)、首里石嶺(144個)、普天間(110個)の4支店はほぼ満杯で、キャンセル待ちの状態が続いている。

 共働きで自宅を留守にしがちな若い夫婦が防犯目的で利用するケースのほかに、震災を機に貴重品の被災を防ごうと考える利用者も増えているという。同行営業統括部の松原弘樹主任は「利用者は年齢も職業も資産状況もさまざまで、幅広い層に広がっている。既存店舗の改築や移転新築の際には積極的に増やしていきたい」と話した。

 昨年12月に本店を新築オープンした沖縄海邦銀行(那覇市久茂地)は旧本店に100あった貸金庫を508個に増やした。全自動式のタイプを初めて導入し、新規の利用者開拓に取り組んでいる。

 那覇市内の金融機関で貸金庫を借りている不動産事業の男性(54)は土地の権利証や保険証など重要書類を預けている。「口座と違って銀行に万が一のことがあっても金庫が凍結される心配はない。自分に何かあったときに家族が引き継げる安心感がある」と話した。

 今年1月のマイナンバー制度開始でも金庫市場が動いた。マイナンバー制度では、新規の証券口座の開設に番号が必要になったほか、2年後には銀行などの預金口座にも適用され、将来的には個人資産が“丸裸”にされる可能性が指摘されている。

 貸金庫には原則的に現金を預けることはできないが、銀行側は中身を確認することができないため、タンス預金の保管場所になっている懸念もあるという。

 同様に家庭用金庫の販売も好調が続いている。ホームセンターのメイクマン浦添本店では今年に入ってから金庫が昨年の1・5倍以上の売れ行き。主に従業員のマイナンバーを管理する個人事業主や中小・小規模企業からの問い合わせが増え、6月からは商品数を増やして対応している。

 那覇市久茂地のデパートリウボウ内の文具店「CARTOLERIA(カルトレリア)」も今年2月から新たに金庫コーナーを開設した。重さ28~110キログラム、価格は3万~13万円台をそろえる。「百貨店で販売することに驚く従業員や客の反応もあったが、月2個のペースで売れ続け、見込み通り」と藪田久美子店長。購入者は60~70代の個人事業主が多い。部屋の広さや用途から商品選びのアドバイスを求められるという。藪田店長は「将来の備えを考えるお客さまはどんどん増えている。今後も安定的に売れるだろう」と期待した。

最終更新:9/14(水) 12:40

沖縄タイムス