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マイナス金利は効用より弊害大きい可能性-テーラー・ルール考案者

Bloomberg 9月14日(水)6時33分配信

金融政策の指針となるテーラー・ルールを考案したジョン・テーラー米スタンフォード大学教授は、マイナス金利が効用よりも弊害が大きい可能性があると指摘した。

同教授は今週の電話インタビューで、「私の見解では、マイナス金利は役に立つというより害をもたらした可能性があるといことをわれわれは学びつつある。逆効果の可能性があることは疑問の余地がない」と語った。生じ得る問題の一つは銀行の準備預金の一部について金利を徴収することによって与信が圧縮されることだ。

日本銀行の黒田東彦総裁は先週、マイナス金利が銀行の金融仲介機能を損なったという説は否定したものの、長期金利の急低下が年金基金などの運用を困難にし、ある種のリスクを生じさせていることは認めた。

テーラー教授はマイナス金利について「われわれのマクロモデルはそのような金融セクターの行動を織り込んではいないので、影響を測定するのは難しい」とし、投資を増やす企業もあれば減らす企業もあるだろうと語った。貯蓄率にも影響し得るとも述べた。

より広範な点として、米国を中心に先進国の問題は需要不足というより生産性伸び悩みだとテーラー教授は指摘。政策の焦点が政府に移ることの重要性を指摘し、日本でも欧州でも米国でも、金融以外の「政策がこれまでよりも大きな役割を果たす必要がある」として規制改革の重要性を説いた。

テーラー教授は、マイナス金利は長期金利押し下げには効果があったと黒田総裁の論理を肯定。その上で、効果が「どの程度継続するか分からない。インフレと景気への大きな影響はなかった」と話した。

米国については金融当局が出遅れているとの見方を示し、中立の政策金利の水準がかつてより低いという一部当局者が支持する考えの「根拠は極めて弱い」と述べた。

中立の政策金利が何年か前に算定された4%より「低いということを示す証拠は多くない」とし、仮に3%だとしても現行の米政策金利(0.25 ―0.5%)を正常化する「道のりは遠い」と指摘した。

テーラー教授はまた、世界の中銀当局者が2%の消費者物価インフレの目標達成を重要視し過ぎているとも指摘。インフレ目標は「有用」ではあるものの、インフレ率が「2%に達するまでアクセルを踏み続け、できる限りスピードを上げる必要がある」と考えるべきではないとし、「その点が心配だ」と付け加えた。

原題:Negative Rates May Hurt More Than Help, Taylor-Rule Creator Says(抜粋)

Chris Anstey

最終更新:9月14日(水)6時33分

Bloomberg

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