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米金融当局の一挙手一投足、市場見通しの混乱醸成

Bloomberg 9月14日(水)10時53分配信

米金融当局が来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決めるかどうかは、世界中の投資家と市場にとって重要な問題だ。だが問題は、金融当局者の発言や経済・金利予想、会合の議事録、記者会見、メディアとのインタビューのいずれもが見通しを明確にするのではなく、混乱させることにある。

具体例を挙げよう。ボストン連銀のローゼングレン総裁が9日、利上げまで長く待ち過ぎれば景気は過熱しかねないと述べたことで、米S&P500種株価指数は2.5%安となり、英国の欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票以来の大幅下落につながった。

その後、12日にはブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事が引き締めを急ぐ根拠はないとの見方を示したことを好感し、S&P500種は1.5%高と単日ベースでは1月以来の急反発となった。

交銀国際の中国担当チーフストラテジスト、洪灝氏(香港在勤)は「米金融当局が混乱を招いていると言うのは控えめな表現だ」とし、「発言が増えれば、その分、混乱の余地が増す」と語った。

先物市場が織り込む今月の米利上げの確率は5分の1程度だが、FOMCの声明や経済予測、イエレンFRB議長の記者会見で、利上げが近づいているとのシンプルな示唆があれば、ブラジルであろうと韓国であろうと、株価や債券相場、為替相場が下落に見舞われる可能性がある。

米金融当局は20、21両日開催のFOMCを控えて金融政策に関する公式発言を自粛するブラックアウト期間に入った。

不確実性が高い状況では、ゆっくりと進むというのが米金融当局の基本姿勢だ。イエレン議長の特別顧問を務めた経歴を持つ米ジョンズ・ホプキンス大学のジョン・ファウスト教授(経済学)は当局について、「自分たちの政策手段がどう機能しているのか理解できぬまま、以前経験したことのないことをやっている」と話した。

一方、みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト、沈建光氏(香港在勤)は「相互に矛盾する内容の当局者発言が多過ぎる」と指摘した上で、「当局内部で明確な見解の相違があるなら、明快なメッセージを発するのは難しい」と論じた。

原題:Fed Deluge of Dots and Discord Leaves Global Markets Baffled (1)(抜粋)

Enda Curran, Craig Torres, Jeff Black

最終更新:9月14日(水)10時53分

Bloomberg