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インタビュー:武田薬が海外買収機会模索、パイプライン強化=社長

ロイター 9月15日(木)2時3分配信

[ロンドン 14日 ロイター] - 武田薬品工業<4502.T>のクリストフ・ウェバー社長CEOは14日、ロイターとの電話インタビューに応じ、売り上げが鈍る国内市場への依存度を減らすため、米国など海外市場での買収機会を模索していることを明らかにした。

研究開発で主要領域への特化を深め、研究活動の新たな体制作りにも着手するなか、現時点で買収などの案件に関して一段とオープンな立場にあると言明。「当社は一段と組織化が進み、1年前と比べて新たな取り組みへの準備が整っている。当社は非常に活発化しており、種々の機会を模索している」と語った。

武田は7月、研究拠点を日本と米国に集約すると発表した。米国のボストンと日本の湘南研究所を研究の中核拠点と位置付けるほか、開発組織についても、ボストンにグローバルな開発拠点を置き、申請業務などのためにそれぞれの地域拠点は維持する。体制作りは2―3年で行う計画で、改革のための費用は総額750億円を見込む。

研究開発については「がん」「消化器系疾患(GI)」「中枢神経系疾患(CNS)」の3領域と「ワクチン」に特化することを明確にしているが、社長は「GIとCNSは競争が少ないかわり、技術革新も進んでいない。がん分野は非常に速いペースで進行している」と述べた。

一方、買収資金として100億ー150億ドル相当を確保したとする英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)の報道内容については明言を避けた。純債務は利払い・税・償却前利益(EBITDA)の2倍以上となる可能性があるとした。現在の比率は1倍未満。

武田は2011年、スイスのニコメド社を140億ドル近くで買収したが、それ以降、大型買収は行っていない。ニコメド買収は新興国市場でのプレゼンスの大幅強化につながった。

主力の多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」は来年にもジェネリック(後発)薬との競争が始まるほか、他の主力薬も2020年以降、特許切れとなる。こうしたなか、潰瘍性大腸炎治療剤「エンティビオ」や新たな多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」といった新薬は好調な滑り出しとなっている。

ウェバー社長はさらなる取り組みが必要と強調した上で「足元、パイプラインの強化に一層注力しており、重要な特許切れを迎え始める5年後には、それに置き換わるパイプラインを獲得したい」と話した。

最終更新:9月15日(木)2時3分

ロイター