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甲状腺検査「維持」が大勢 県民健康調査委、今後の在り方議論

福島民報 9/15(木) 10:10配信

 福島県民健康調査検討委員会は14日、福島市で開かれ、東京電力福島第一原発事故の健康影響を調べる子どもの甲状腺検査の今後の在り方について、現在の規模を維持して継続すべきとの意見が大勢を占めた。検査結果のより詳細な分析などを踏まえて検査の枠組みの検討を続ける。子どもの健康管理に影響するだけに議論の行方が注目される。
 チェルノブイリ原発事故の場合、子どもの甲状腺がんの診断が事故発生から5年後以降に増えているデータを踏まえ、医師会、大学、研究機関の関係者で構成する委員から「少なくとも10年間は縮小すべきではない」と検査の規模を維持し、経過を注意深く分析するよう求める意見が相次いだ。 
 長期間にわたる見守りの必要性も指摘された。放射線被ばくと甲状腺がんの関連を明らかにする当初の検査目的を踏まえ、「検査のデータの蓄積が中途半端になり、信頼度が低下するのは避けなければならない」として継続してデータを積み重ねる重要性を訴える声もあった。 
 検査体制の改善を求める提言も多かった。東京電力福島第一原発事故当時に18歳以下だった県民が進学や就職などで県外に転出している状況を考慮し、「県外での受診希望者に対応する検査機関などを拡充するよう検討すべき」との指摘もあった。子どもたちの心身の負担や不安の軽減に向け、手術でなく経過観察でよい場合などの適切な助言や心理的なケアの充実を求める声も上がった。 
 星北斗座長(県医師会副会長)は会議後の記者会見で、「無理やり検査を受けさせたり、検査を希望する人から機会を奪ったりする考えはない」とし、さまざまな要望を踏まえながら議論を深める考えを明らかにした。委員会は今後、専門部会による2巡目、3巡目の本格検査の分析結果などを基に検査の在り方を協議し、方針を固める見通し。 

福島民報社

最終更新:9/15(木) 12:17

福島民報