ここから本文です

黒沢清監督、初海外作品をホラーからラブストーリーにしたワケ!

シネマトゥデイ 9月15日(木)23時32分配信

 黒沢清監督が15日、都内で行われた新作映画『ダゲレオタイプの女』記者会見に、主演のフランス人俳優タハール・ラヒムと共に出席。黒沢監督は、初の海外作品がオール外国人キャスト、全編フランス語によるフランス映画になることで、元々考えていたホラーからラブストーリーが色濃い作品へ軌道修正したことを告白した。

【写真】タハール・ラヒムが初来日!

 本作は、世界最古の撮影方法“ダゲレオタイプ”の写真家である父の犠牲になる娘と、苦痛を伴う撮影を目撃しながらも娘に心を奪われていく男(タハール)の、美しくも儚い愛と悲劇を描いたホラーロマンス。

 「昔からチャンスがあれば海外で映画を撮ってみたいという夢を持っていた」と話す黒沢監督は、様々な幸運が重なり実現した本作の撮影を振り返り、「素晴らしいスタッフ・俳優たちと完成させることができ、夢のような時間でした」としみじみ。

 また、愛の国フランスの映画だからこそ、本作のテーマが変わったことにも言及。10年以上前から本作のアイデアは持っていたが、それは「ダゲレオタイプの写真を撮ることにまつわるホラー映画」だったんだとか。ところが、フランスで制作することになり、若い男とモデルの女とのラブストーリーの一面を大きく発展させたそうで、「二人がどういう風に愛を貫いていくかが、映画の最も大きなテーマになりました」と打ち明けた。

 一方のタハールは、役づくりのために何度も黒沢監督と話し、撮影中は「演技をした後に監督の方をチラッと見て、『それでいい』という顔をしていたら演技を続けました」と述懐。映画『スケアクロウ』のアル・パチーノから身体的な動きのインスピレーションを受けたことを明かし、「初めて聞きました」と黒沢監督の目を丸くさせる場面もあった。

 そんな黒沢監督をもうならせるタハールの卓越した表現力も見どころの本作について、黒沢監督は「フランス映画にこんな作品もあるんだ」という驚きと、「なるほど、フランス映画」という納得を持って、「最新フランス映画の1本として楽しんでいただければ幸せです」と呼びかけた。(取材/錦怜那)

映画『ダゲレオタイプの女』は10月15日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開

最終更新:9月16日(金)21時20分

シネマトゥデイ