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『スーサイド・スクワッド』初代コミックを目撃!DCエンターテインメント訪問レポート

cinemacafe.net 9月15日(木)21時30分配信

シネマカフェが実施した『スーサイド・スクワッド』現地取材。第3弾の今回は、「DCエンターテインメント」の本社に訪問。「DCコミックス」が誇る81年の歴史が日々継承される現場に、日本初取材として訪問することができた。

【画像】「DCエンターテインメント」訪問フォトギャラリー

ロサンゼルス郊外に居を構える「DCエンターテインメント」社は、スーパーマンやバットマンといったキャラクターを擁する「DCコミックス」をはじめ、『コンスタンティン』『V・フォー・ヴェンデッタ』などの映画化原作を発刊する「VERTIGO」、そして風刺雑誌として知られる「MAD」の3つのブランドを手がけている。取材当日は、日本からの本社へ取材陣を迎え入れた初の機会ということで、本社スタッフのガイドのもと、至る所に展示された様々な貴重なアーカイブ作品とともに、社内の様子を窺い知ることができた。

まず案内されたエントランスで目を引いたのは、『マン・オブ・スティール』から続くヘンリー・カビル版のスーパーマン・コスチュームと、『ダークナイト』シリーズにおけるバットマン・スーツ、そして『ウォッチメン』に登場するロールシャッハの劇中衣装が収められた3つのガラスケースだ。さらに視線を右手に送ると、「バットマン:アーカム・ナイト」などのヒットゲームも手がける本社らしく、関連ゲーム作がプレイできるコーナーが広がり、さらに奥の窓際にはDCコミックスのキャラクターで構成されたチェス盤が配置されている。スーパーマンやワンダーウーマンたちスーパーヒーローチームと、ジョーカーたちヴィランチームでチェス盤が構成されているというもので、キャラクターへの愛とユーモア感じる展示が来場者を出迎えてくれる。

同じフロア奥に進む廊下には、1935年の創刊時のコミックブックの表紙から、現在に至るまでのエピックとなるタイトルのビジュアルが1面に並べられ、来場者はDCコミックス辿ってきた81年の歴史を感じることができる。時の流れの中で、絵のタッチやキャラクターの描かれ方が変化してきた様が一目で分かり、その多様かつ豊穣な歴史の変遷に、思わず足を止めて眺めてしまう。

ガイドに導かれ社内へと歩みを進めると、スタッフのパーソナルスペースの周辺にカラフルに彩られたDCコミックスのキャラクターグッズやパネル、ポスターの数々が目を楽しませてくれる。さすがアメリカ最大級の老舗コミックス社なだけあって、コミックやキャラクター愛溢れる雰囲気が社内に漂っていた。

社内は、廊下や壁面、通路のちょっとしたスペースなど、至るところにコミックスや映画のビジュアル、フィギュア、アートピースなど、様々な展示物が並べられている。映画ファンとしては、1989年のティム・バートン版『バットマン』から『ダークナイト』シリーズ、そして『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のポスタービジュアルがずらりと並んだスペースには、思わずシャッターを切ってしまった。ほかにも、「LIFE」誌の表紙を飾ったバットマンや、モハメド・アリとスーパーマンとの戦いを有名人が取り囲んで観戦しているという巨大なアート作品など、いかにDCコミックスがアメリカのカルチャーの歴史の一部として刻まれ続けているのかが感じられる展示ばかりだった。

中でも、6階の来客フロアに展示された存在感たっぷりの等身大クラーク・ケント像にはインパクトがある。受話器を顎にはさみ、何やらメモを取っているデイリー・プラネット社の新聞記者としてのクラーク。手元にメモ帳に目をやると「Batman is…」の文字が綴られており、こういったユーモアと愛が来場者の頬を緩ませてくれるのだろう。


そして、「DCコミックス」の歴史において、数え切れないほどの刊行物の全てが保管されているという地下一階のライブラリーに案内された。扉には、「FUN」という名前で発刊された創刊号の表紙が描かれている。案内してくれたのは、「DCエンターテインメント」社の中でも、ライブラリーの鍵を保管する権利を持つたった2人のうちのひとりであるベンジャミン氏。そのあまりに貴重な役割についてベンジャミン氏は「本当にラッキーだと思うよ。だから僕がしてることは誰にも言わないようにしてるんだ。じゃないと殺されて鍵を奪われちゃうかもしれないからね」と冗談めかして語る。

長い年月の積み重ねを感じさせる古い紙の匂いでいっぱいのライブラリーの中、最初に披露されたのは、引き出しに保管された『スーサイド・スクワッド』の面々が初めて登場したコミック。その後の様々なバージョンリリースを経て、公開中の映画に登場するメンバーが描かれるようになったようだが、デッドショットやキャプテン・ブーメラン、そしてリック・フラッグ大佐の姿は、創刊号の表紙において既に確認することができる。

続いて、ハーレイ・クインが初めて登場したコミックについても紹介。ハーレイはもともとコミックではなく、バットマンのアニメーションシリーズの中で登場したようで、のちにコミックでも登場し、彼女がはじめて登場したコミックには、子ども向けコミックとして発刊されたため数が少ないことからも、1,000ドル(約10万円)の値段が付くこともあるのだとか。

ほかにも、アマンダ・ウォーラーや「フラッシュ」のシリーズに登場したキャプテン・ブーメラン、エンチャントレス、デッドショット、ディアブロ、スリップノット、キラークロック、そしてカタナなど、『スーサイド・スクワッド』で活躍するメンバーそれぞれが初めて登場したコミックが披露された。どれも映画で観ることができるルックとは大きく異なるものが多く、2016年に初めて彼/彼女たちを知ることになる観客からしたら、こんなにも歴史のあるキャラクターたちによるチームだということには驚いてしまうだろう。

さらには、真珠湾攻撃の直前である1941年にリリースされたというワンダーウーマンが初登場するコミックや、ジョーカー、ロビンといったDCコミックスお馴染みのキャラクターが初登場されたコミックももちろん保管されている。これらのコミックは、刊行された号ごとにファイルされ、デジタル・データ化されるなど、後の創作におけるリファレンスのための貴重な資料として、「DCエンターテインメント」の地下に大切に保管されているのだ。

さらに、世界で初めて作られた20冊ほどのコミックのうちのひとつが、最も貴重なコミックとしてガラスケースに保管されている。いまでは、スーパーマンやバットマンといった、キャラクターの名前を冠したコミックが当たり前になったが、それ以前はそういったかたちでキャラクターを前面に押し出したコミックスが作られていなかった。のちにスーパーマンの登場によって、スーパーヒーローというジャンルが生まれることになり、まさにDCコミックスは、スーパーヒーローという概念そのものを生み出したと言ってもいいだろう。

ほかにも、ライブラリーにはミシェル・ファイファーが劇中キャットウーマンとして使用した鞭や、アーノルド・シュワルツェネッガーが「Mr.フリーズ」として使用した銃などの映画美術や、スーパーマン初のアニメーションのセル画など、様々な貴重なアートワークが保管されている。同じ種類のコミックスでも、異なるバージョンなどもアーカイブされているというこのライブラリーには、ベンジャミン氏の予想では8,000種類にものぼるコミックスが保管されているという。

「僕はコミックが好きで、歴史も好きなんだ。その両方がここにはある。ここには1930年代、40年代、50年代の生活があって、その変遷を感じることができるんだよ」。そうベンジャミン氏が語るように、「DCエンターテインメント」社全体から、81年の伝統を確かに繋いできた同社の誇りと、アメリカのカルチャーを担う存在としての確かな自負を感じることができた。そして、同社が編んできた歴史は、映画『スーサイド・スクワッド』の中で新しい物語として語り直されている。ハーレイ・クインをはじめとするキャラクターたちの生き生きとした姿は、この歴史の地続きにある存在として考えると、また異なる感慨が生まれてくるかもしれない。

『スーサイド・スクワッド』は全国にて公開中。

最終更新:9月15日(木)21時59分

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