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センチュリーシネマで映画「オーバー・フェンス」 山下敦弘監督が来名 /愛知

みんなの経済新聞ネットワーク 9月15日(木)12時30分配信

 栄の映画館「センチュリーシネマ」(名古屋市中区栄3)ほかで9月17日から、映画「オーバー・フェンス」が公開される。公開に先立ち、山下敦弘監督が来名して会見を開いた。(サカエ経済新聞)

 同映画は5度の芥川賞候補など高い評価を得ながら1990年に自ら命を絶った作家・佐藤泰志さんの同名小説が原作。妻と別れ、故郷の函館に戻って職業訓練所に通いながら淡々とした日々を過ごす男が、風変わりなホステスとの出会いで希望を取り戻していく姿を描く。主人公をオダギリジョーさん、ヒロインを蒼井優さんが演じ、ほかに松田翔太さんらが出演する。

 山下監督は愛知県半田市出身。初の商業監督作品「リンダリンダリンダ」で注目され、以後も「松ヶ根乱射事件」、「マイ・バック・ページ」、「苦役列車」など話題作を発表している。

 「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)、「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)に続く佐藤さんの小説を原作とする「函館3部作」の完結編となる同作。山下監督は「同じ街を舞台にした3部作ではあるが、それぞれ熊切さん、呉さんの色が強く出ていて、監督の映画になっている。本作も地方都市の話が得意な僕らしいテイストが出ていると思う。前2作が重い世界観だったので、最後は前向きで抜けのいい映画にすることを意識した。登場人物の設定などを変更した部分もあるが、小説の読後と映画の鑑賞後の印象を同じにしたかった」と話す。

 俳優陣について山下監督は「オダギリさんはひょうひょうとして物腰は柔らかいけれど、適当さや嘘(うそ)は見抜かれそうな怖さがある。すごく芯のある人。オダギリさんも蒼井さんも全て計算して演じるプロフェッショナルという印象を持っていたが、今回は不器用に手探りに、とても人間くさく演じていて、いい意味で僕のイメージを裏切ってくれた」と絶賛する。

 山下監督は「多くは読んでいないのであまり語れないが、佐藤さんの小説は映画と相性がいいと感じる。3人の映画監督がそれぞれの持ち味を出しながら映画を作れたのは、すばらしい原作だから。近年まれに見るくらい、原作と映画がいい関係性を持てた3部作。それぞれに作品を解釈しながら、3人とも佐藤さんが自ら命を絶ったことをどこかで意識しながら撮っていたと思う。原作者の死をどこかに含んでいて、それが物語そのものとは別に映画にある種の深み、においを与えている」と語る。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:9月15日(木)12時30分

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