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【インタビュー】鈴木敏夫「面白い作品をつくっていきたい」10年越し企画『レッドタートル ある島の物語』

cinemacafe.net 9/15(木) 22:00配信

スタジオジブリ待望の最新作『レッドタートル ある島の物語』は同スタジオにとって、初の海外共同制作。米アカデミー賞短編アニメーション映画賞に輝いた『岸辺のふたり』にほれ込んだ鈴木敏夫氏が、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督に長編制作をオファーしたのは10年前のことだ。

【画像】ジブリについて語る鈴木敏夫

長編制作の経験がないヴィット監督は「尊敬する高畑勲監督から助言を受けること」を条件にオファーを快諾。「人生最大の感激でした。私自身は短編アニメーションを独立したアートだと捉えていました。これまでに長編の話はほかからもありましたが、ジブリだからこそ、一緒に長編を作りたいと思ったのです」(ヴィット監督)

シナリオや絵コンテ作り、効果音や音楽に至るまでジブリ側との濃密な打ち合わせを経て制作を進めていき「結果的には高畑さんの『かぐや姫の物語』がもつ8年という記録を更新して(笑)、10年かかりましたけど。僕は待つのは苦ではない。週刊誌出身の人間だから、長い時間をかける映画に憧れていましたし」(鈴木氏)

2010年にはヴィット監督が来日し、小金井市のスタジオジブリ近くに部屋を借りた。約4週間の滞在で、高畑氏と直接やりとりを交わし、作品の世界観を深めていったのだ。本編が完成したのは今年の3月。無人島に漂着した男の孤独なサバイバル、そして突然目の前に現れた女性との愛の軌跡を81分間、全編セリフなしで描く本作について、ヴィット監督は「自然と人間が向き合う姿を通し、自然への尊重と人間の尊厳を伝えたかった」という。

今月はじめに行われた完成披露試写会の席では、高畑氏も「優れた作品ができて安心している」と太鼓判を押した本作。「たった1人で制作を進める短編とは違い、今回は個性あふれるアーティストたちを束ねて、実力を発揮してもらう過程に不慣れさも感じつつ、人と人との信頼関係の大切さを改めて学びました。それはジブリとの関係性にもあてはまります。当初、私たちの間には契約書もなく、ただ信頼の念があったのです」(ヴィット監督)

男はどこから来たのか? 突然現れた女性の正体は? そしてレッドタートル=赤い亀が意味することとは? 謎は謎のままに、観客の想像力に委ねるスタイルは「実は宮崎駿の作品に似ているんじゃない? 一見、わかりやすくても非常に複雑な構造で、すべてを説明するわけじゃないですから」と鈴木氏。結果的に『思い出のマーニー』以来2年ぶりのジブリ作品となり「いいタイミングでマイケルが作品を完成させてくれた」と本音を語る。

「宮崎さんは長編を引退しましたが、現在は(三鷹の森ジブリ)美術館で上映する短編を作っていますし、スタジオにはスタッフもいて、企画も出てきている。いまはそれをどう進めるか考えている段階です。時代が手描きからCGに移行するなか、大きな転換期にあるのは事実ですが、どんな手法であれ面白い作品をつくっていきたいですよ」(鈴木氏)

最終更新:9/16(金) 11:35

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