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いきものがかり“地元でSHOW!!”終幕、故郷で伝えた17年分の「ありがとう」

音楽ナタリー 9月15日(木)13時8分配信

いきものがかりが9月10、11日に神奈川・厚木市荻野運動公園にてワンマンライブ「SMBC / 三井住友銀行 Presents 超いきものまつり2016 地元でSHOW!! ~厚木でしょー!!!~ Supported by 爽健美茶」を開催した。

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「超いきものまつり2016 地元でSHOW!!」はいきものがかりのデビュー10周年を記念し、水野良樹(G)と山下穂尊(G, Harmonica)の地元である神奈川県海老名市の海老名運動公園と吉岡聖恵(Vo)の地元である神奈川県厚木市の厚木市荻野運動公園で行われた野外ライブ。8月27、28日の海老名公演、今回の厚木公演の全4公演で約10万人を動員し、3人は華やかなステージで故郷へ錦を飾った。この記事では、9月10日に行われた公演の模様をレポートする。

快晴の空の下、小林常良厚木市長と厚木市のゆるキャラ・あゆコロちゃんによる開会宣言でライブは幕を開ける。バックバンドのメンバーに続きステージに姿を見せた3人が1曲目に届けたのは「ありがとう」。吉岡は柔らかな笑みを浮かべながら歌い、水野と山下は1音1音を丁寧に紡いでいく。続く「風が吹いている」では、吉岡の明朗な歌声が会場を囲む緑の中に溶けていった。

「今日は思いっきり楽しんでいきましょう、よろしくね!」とファンに挨拶した吉岡は、3曲目の「キミがいる」でメインステージから長く伸びた花道へと飛び出す。軽快なステップでセンターステージへと移動すると、彼女は曲中で「厚木へようこそー!」と元気いっぱいに叫んだ。MCでは水野が吉岡に「あなたの地元ですよ!」と語りかける。吉岡は「そう、私の地元! ここの会場、小学校のときに体育の授業で使いました!」と笑い「厚木の皆さん、こんにつあー!」といきものがかりのツアー公演でおなじみの挨拶をして観客と盛り上がった。また海老名市出身の水野と山下は「俺らは厚木の広さを知らなかったよね。人口も海老名のほぼ倍だし、負けた感ありますよね……」としみじみ語る。3人は吉岡の実家に猿が出たエピソードをファンに伝え、思い出話に花を咲かせていた。

センターステージに楽器がセッティングされると、3人はバンドメンバーとともに花道へ歩みを進める。中盤のセクションはこのセンターステージでパフォーマンスが行われた。ステージ中央に置かれた円形のステップに上った3人は「メンバーとの距離が近すぎる!(笑)」と笑いながらも、シンプルなバンドセットから生み出される温かな音で会場を満たしていく。3人が息の合ったハーモニーを響かせる「地球」が届けられたのちにプレイされたのは、2ndシングル表題曲の「HANABI」。この曲について水野は「のちの『ブルーバード』につながるような、自分たちの新しいカードを生むきっかけになった曲」とファンに伝える。吉岡の力強いボーカルにオーディエンスも体を揺らし、山下はメロディアスなハーモニカで楽曲を彩った。

また、「YELL」では吉岡の出身校である厚木市立南毛利小学校の1年生と6年生、総勢140人がメインステージに登場。水野は「一緒に歌ってくれることになりました」と彼らを紹介し、吉岡と小学生による合唱でこの曲は届けられた。小学生たちのまっすぐな歌声に、吉岡は「染みます。きれいな声で、うれしかったです」と後輩たちに感謝した。

すっかりと日が落ちた頃、ステージ上部のモニターには3人のこれまでの歩みを描いた再現VTRが映し出された。このVTRには加藤諒や藤木直人、古田新太といった面々が出演していきものがかりを支えてきた人たちをコミカルな演技で表現し、観客は笑い声を上げながらモニターを見上げる。いきものがかりが初めてワンマンライブを行ったライブハウス・Thunder Snake ATSUGIに映像の舞台が移ると、3人はカジュアルな衣装で舞台に姿を見せ、月が夜空に輝く中で吉岡は「花は桜 君は美し」をしっとりと歌い上げた。

バックバンドのホーン隊がステージ前方に歩み出るとライブはいよいよラストスパートへ。「ラブとピース!」で会場の盛り上がりを加速させた吉岡は、続く「Sweet! Sweet! Music!」でステージを縦横無尽に駆け回り「まだまだ行ける? まだまだ行けるの!?」とオーディエンスを力強く煽る。さらに水野は「厚木! もっと盛り上がれるか!? 行くぞ!」と呼びかけ、彼と山下もステージの両端まで一気に駆け抜けた。サビのダンスで会場がひとつになった「気まぐれロマンティック」、スモークがステージ各所で噴出する中、タオル回しで盛り上がった「じょいふる」で熱狂は最高潮に。充実の表情を浮かべた吉岡は、本編最後の曲を前に「生まれ育って、駅前で歌を響かせた街。そう考えると、信じられないような気持ちになります」と、厚木でライブを開催した喜びを言葉ににじませた。彼女は「自分たちが思ったこと、(水野と山下の)2人が作ったストーリーが聴いてくれる人のもとへ届いて、その人の大切なものになっていけばいいなと思います。デビューして10年、結成からは17年、たくさんの方に支えられてきました。胸がいっぱいすぎるけど……」と言葉を詰まらせる。彼女が作った一瞬の静寂にファンは大きな声援を送り、この声を受けて表情にグッと力を入れた吉岡は「歌で返すしかないので、これからもよろしくお願いします!」と前を見据えた。山下の「僕らも噛みしめて演奏します」という言葉とともに届けられたのは「心の花を咲かせよう」。3人は柔らかな表情でこの曲をプレイし、ステージをあとにした。

大きなアンコールを受けて舞台に戻ったメンバーは「ぼくらのゆめ」でライブを再開させる。続く「コイスルオトメ」では吉岡が「初めて聴いたときは『こんなにかわいい気持ちを私が歌えるんだろうか?』って思ったけど、リーダー(水野)が『女の子ってこう思うんだろうな』って想像を働かせながら作ってくれた曲で、どんどん大切な1曲になっていきました」と曲へ向ける愛情を明かした。水野と山下が奏でる情熱的なギターの音色に吉岡はパワフルなボーカルを乗せ、彼女たちの熱演にオーディエンスもじっくりと耳を傾ける。この曲を終えると、水野は「1曲1曲、ライブができる喜びを噛みしめさせてもらっています。集まってくれて、僕らにライブをやる意味を与えてくれてありがとう」と言葉を発した。

彼は「僕ら、今まで自分たちのことをしゃべってこなかったけど……」と続けると「『10周年』に甘えて、もう一度自己紹介をするような気持ちでライブをしました。普段はなかなか言えないけど、皆さんのおかげで10年間、歩んで来れました。また新しい始まりに立てるように歩んでいく決意を込めて、この曲を届けます」と語る。ライブの最後を飾ったのは、彼らのデビュー曲である「SAKURA」。感激の表情を浮かべながらこの曲を歌い上げた吉岡は曲の終わりに笑顔でうなずく。大きな喝采を浴びた3人は、最後に「どうもありがとうございました、いきものがかりでした!」と声を合わせて叫んだ。

いきものがかり「SMBC / 三井住友銀行 Presents 超いきものまつり2016 地元でSHOW!! ~厚木でしょー!!!~ Supported by 爽健美茶」
2016年9月10日、11日 厚木市荻野運動公園 セットリスト
9月10日
01. ありがとう
02. 風が吹いている
03. キミがいる
04. ブルーバード
05. ラストシーン
06. 翼
07. 地球
08. HANABI
09. ちこくしちゃうよ
10. YELL
11. 花は桜 君は美し
12. ラブとピース!
13. Sweet! Sweet! Music!
14. 気まぐれロマンティック
15. じょいふる
16. 笑ってたいんだ
17. 心の花を咲かせよう
<アンコール>
18. ぼくらのゆめ
19. コイスルオトメ
20. SAKURA

9月11日
01. ありがとう
02. 風が吹いている
03. キミがいる
04. ブルーバード
05. ラストシーン
06. 翼
07. 地球
08. 青春ライン
09. からくり
10. YELL
11. 花は桜 君は美し
12. ラブとピース!
13. Sweet! Sweet! Music!
14. 気まぐれロマンティック
15. じょいふる
16. 笑ってたいんだ
17. 帰りたくなったよ
<アンコール>
18. ぼくらのゆめ
19. 夢題~遠くへ~
20. SAKURA
<ダブルアンコール>
21. ありがとう

※記事初出時、ライブタイトルの表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

最終更新:9月15日(木)16時45分

音楽ナタリー