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<リオパラ>競泳・鈴木、強さの原点は自立に励んだ少年期にあった

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月15日(木)17時40分配信

 リオデジャネイロパラリンピック競泳男子50メートル平泳ぎ(運動機能障害)決勝に出場した鈴木孝幸選手(29)=浜松市北区出身=。メダルに手が届かなかったが、4大会連続で大舞台に立ち日本代表をけん引した。第一線で長く活躍する強さの原点は公立学校で過ごした少年時代にあった。

 「普通の子どもと同じように生活し自立してほしい」。生まれつき右腕の肘から先と両足がない鈴木選手を生後間もなくから育てた小松洋さん(82)=同市北区=はそんな思いから特別支援学校ではなく公立小中学校に通わせた。

 通学した市立三方原小では長距離移動以外は車椅子を使わなかった。階段は左腕を使ってはい上がり、スケートボードを改造した板に乗って廊下を移動した。体育の授業では運動靴を手にはめ運動場を走り回り、休み時間は友人とサッカーで遊んだ。5、6年時の担任教諭で、市立麁玉小の尾田聡弘校長(55)は「明るく活発な性格。身の回りのことは自分でやっていたので、手が掛かることもなかった」と振り返る。

 こうして運動能力が養われたのか、徐々にアスリートの片りんを見せ始める。バランス感覚は抜群で、得意のマット運動では逆立ちを何度も披露。市内の小学生の伝統行事「30分間回泳」もクリアした。唯一鉄棒だけは他の児童と同じようにできず、「負けず嫌いなので悔しがっていた」(尾田校長)。

 高校以降、本格的に競泳に打ち込み実力を伸ばすと、北京大会で金メダルを獲得。ロンドン大会後はイギリスに渡りトレーニングを積んだ。小松さんは「本人が一番悔しいと思うけど、お疲れさまと声を掛けたい。孝幸の姿を見てパラリンピックにもっと注目してもらえたら」と願った。

静岡新聞社

最終更新:9月15日(木)17時56分

@S[アットエス] by 静岡新聞