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<こち亀>40年間支持された理由 時代に合わせて柔軟に変化

まんたんウェブ 9/18(日) 10:00配信

 「週刊少年ジャンプ」を代表する人気マンガで「こち亀」の愛称で親しまれる「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が17日に最終回を迎えた。3日に神田明神で「こち亀絵巻」の奉納を済ませた後、作者の秋本治さん自ら発表する異例の形で、テレビや新聞のニュースとして取り上げられるなど話題となった。週刊少年ジャンプという“激戦区”で、「こち亀」はなぜ連載を続けられたのかを分析した。

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 「こち亀」の本当に驚くべき点は、「連載が1回も休載せずに40年も続いたこと」だ。総じて「ギャグマンガは短命」といわれ、国民的マンガ家の一人・赤塚不二夫さんの代表作「天才バカボン」も十数年で1度完結している。「こち亀」と同じジャンプマンガの「Dr.スランプ」も約4年。いずれも超人気作であり、「ギャグに必要な体力」の問題だったのかもしれない。

 しかしなぜ「こち亀」は40年も続いたのか。一つは「時代に合わせて変化した」ことだ。連載スタート当時、「こち亀」は主役の両さんこと両津勘吉は天丼を盗み食いした猫に銃を乱射し、道を聞く民間人を怒って追い返す荒くれ者だった。

 本作も秋本さんも、当時のジャンプの中では「新人」に過ぎなかったから、「ドーベルマン刑事」など豪快な連載誌のカラーに合わせたのだろう。それが、60巻以降はめっきりソフトになった。21世紀に入ってからは、銃を発砲しているコマを見つけるほうが難しい。

 ただ丸くなっただけなら刺激的な連載陣の中で埋没していたはずだが、「こち亀」には「過密な情報量」という武器があった。両さんの同僚である中川巡査は自動車のコレクターのため、初期は迫力あるカーチェイスも当たり前で、描写も緻密(ちみつ)だった。飛行機や戦車などメカの登場もとても多かったが、キャラの線さえ簡略化して作画にかかる労力を抑える傾向のあるギャグマンガの中では異例なことだ。

 こうした情報量の詰め込みは、やがて「ホビー」の分野に向けられた。サバイバルゲームなどアウトドアから切手やフィギュア、そしてゲームやパソコンといったインドアに移行し、果ては「艦これ」などの紹介もするにいたる。その道のりは、ジャンプ本誌の「ホビー化」とも一致している。

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最終更新:9/18(日) 14:29

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