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相模原殺傷中間報告 居住地把握、共有されず…容疑者退院後 「単身」「両親と同居」

産経新聞 9月15日(木)7時55分配信

 「相模原市と病院の(不十分な)対応は、他の地方自治体、病院でも同様に行われる可能性がある」。相模原市の障害者施設殺傷事件を検証し、再発防止策を話し合う厚生労働省検討チームは14日、中間報告でそう警鐘を鳴らした。報告書では、措置入院解除後の居住地把握について、病院と市に情報共有や連携の不足があったことを改めて浮かび上がらせた。ただ、課題を払拭する具体策はなお手探りが続きそうだ。

 ◆食い違った発言

 「退院後は相模原市で単身生活をする」。報告書によると、植松聖(さとし)容疑者(26)=殺人容疑で再逮捕=は2月下旬の措置入院解除前、担当看護師にそう話した。看護師は電子カルテにも、その旨を記載していたという。

 一方、これに先立つ2月20日、植松容疑者の父親は主治医に「通院になれば一緒に住もうかと思っている」と発言。その後も父親が同居の意思を示したとされ、市に提出する「症状消退届」には、退院後の居住先として東京都八王子市の両親の住所が記載された。

 だが、厚労省の聞き取りに対し、両親は同月20日以降、病院と「居住地について話した認識はない」と説明。看護師のカルテも院内の会議で共有されなかった。

 ◆特別措置取らず

 退院後も親と同居していないことを把握・対応する機会はあった。

 植松容疑者は3月31日、外来で病院を受診。就労可否等証明書が交付された際の書類には、主治医が相模原市の住所を記載していた。植松容疑者とのやり取りで聞いたとみられるが、主治医は特別な措置を取らなかった。

 植松容疑者は退院後、相模原市の福祉事務所に生活保護の相談に行くなどしていた。この際、同市の内部でも精神保健担当者は植松容疑者の市内居住を知らず、福祉事務所は措置入院の事実を知らなかった。

 ◆対策なお手探り

 こうした事態を防ぐため、厚労省がヒントとするのは兵庫県の取り組みだ。

 同県は今春、措置入院中の患者をサポートする「継続支援チーム」を各保健所に設置。県担当者や精神保健指定医、保健師らで構成し、入院中から患者に面会して信頼関係を作り、退院後も相談に乗る。継続支援の中で居住地確認も可能になるとして、同省は全国共通の枠組みを検討。ただ、同省内でも「一定の抑止にはなるが、再発防止効果は未知数」(同省職員)との見方もある。

最終更新:9月15日(木)8時21分

産経新聞

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