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ガルパンおじさんの大教祖たちによる戦車トークショウリポート、シャーマン愛が濃すぎて前が見えない!【TGS 2016】

ファミ通.com 9/15(木) 18:41配信

文・取材・撮影:ライター カイゼルちくわ

●胸焼けしそうなほどのシャーマン愛が爆発
 2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。その初日となる9月15日、Wargaming Japanブースにて、ステージイベント“戦車を語れ!スペシャルトークショウ”が開催された。

 トークショウの参加メンバーは人気戦車アニメ『ガールズ&パンツァー』(以下、ガルパン)のプロデューサー杉山潔氏、米英連合軍戦車研究の第一人者である丹羽和夫氏、Wargaming Japan所属のミリタリーアドバイザー宮永忠将氏と、戦車を愛してやまない「戦車おじさん」たちの中でも屈指の面々。これで濃い内容にならないわけがない。

 トーク開幕早々、宮永氏からさっそくの先制パンチ。先日のファンイベントで制作が発表されたガルパン最終章について、「今日、大きな発表が」などと無理矢理すぎる誘導が始まったものの、杉山氏は「罠にはめないで!」とスルー。しかしこれは後に控えるトークの前振りだった。

 最初はガルパンの主役戦車をIV号戦車ではなくシャーマンにしようと企画し、「やられ役だから駄目」と周囲から没をくらったことでも有名な杉山氏と、英米戦車の中でも戦車道ならぬ“シャーマン道”を極めんとする丹羽氏が揃った本イベント。当然のようにトークの話題は開幕からM4シャーマンの話題へと移行していった。

 ちょくちょくガルパン最終章の情報を聞き出そうとする宮永氏はさておき、とうとうトークショーは丹羽氏が用意したスライド写真でのシャーマン講座へ。

 ちなみに、丹羽氏がシャーマンにのめり込んだきっかけは、映画『史上最大の作戦』。映画を見てほれ込み、実写資料を探した際、映画の車輌に矛盾があると知ったことなのだとか。

 ここまでなら『World of Tanks』でも説明されているので分かりやすかったが、つぎに入門用として紹介されたバリエーションが、まさかの面制圧用ロケットを満載したT34カリオペ。丹羽氏をしても「これが歩兵支援はともかく、機甲師団で戦車として使われたかは不明」という車輌が出てきてしまった。

 続いて紹介されたのはシャーマンファイアフライ。英国で17ポンド砲を搭載した車輌だ。紹介された写真はひどい目にあった英国軍が、「一発ならこれで砲弾に耐えられる」と予備履帯を車体に貼り付けたもの。これにより車輌重量が2~3トン増え、サスペンションが痛みやすくなってしまったという。

 さらに、入門編のはずなのに、英国製の地雷処理用にチェーン付きドラムを回しつつ走るシャーマン・クラブに続き、それを見た米軍が地雷をむしろ踏み潰そうと開発した車輌など、イロモノシャーマンの紹介が続く。

 だが、これもまだまだ序の口。続いて中級編として、陸どころか水に浮いてスクリューで航行できるシャーマンDD、さらにその上を行く、「いっそ船にしてしまおう」という発想のアタッチメント搭載型シャーマンまで出てくる始末。宮永氏ですら「『World of Tanks』に実装しないの? と言われるのが怖いですね。水の上とか、遮るものが何もないじゃないですか」と戦々恐々とし始めた。

 まだまだ勢いは衰えることを知らず、丹羽氏をして「やってみたかったんじゃないかな……」と説明せざるをえない車両が続々。ロータリー連射式ロケットランチャーを2門積んだT31デモリッションタンク、M24チャーフィーの砲と火炎放射器を同軸装備した対人戦車……。それでもまだ寿司ネタで言えばトロ、タマゴ、イクラ程度とのこと。

 車体だけでも6つあり、ほかにも各部パーツの形状や出所、前期後期の違い、さらにはマズルブレーキやネジの形状まで、生産工場ごとにさまざまなバリエーションが生まれたシャーマン戦車。杉山氏としては、バリエーション過多ではあるが、ガルパンにすべて出したいという望みがあるという。最終的に、サンダース高だけのOVAがあったとして、敵もすべてシャーマンにするしかないという結論に至ってしまったが……。

 丹羽氏いわく、シャーマンはバリエーションや各部品の生産工場が多岐に渡るため、歴史上不明な部分がまだまだ虫食いのようにあるという。それは5年に及んだ大戦の中、進化や発展を続けてきた戦車の歴史の象徴であるとも言えるという。

 機関車メーカーすら引っ張り出し、それでも規格を統一してみせた当時のアメリカの圧倒的工業力と、各バリエーションの設計に見られる徹底した合理的な理念。シャーマンはそれ単体で戦車の歴史の一面を体現してみせたわけだ。

 あらゆる国で多様な発展を遂げたシャーマン。「『World of Tanks』の中では、さまざまな国のツリーで使用できる」と宮永氏からのアピールに対して、杉山氏たちは「あの戦車の砲塔を積んだシャーマンも実装してくれるんですか!?」などと言いたい放題。

 トークショーは最初から最後まで、戦車おじさんたちが戦車、というかシャーマンについて、楽しそうに語り続けて終了した。

 最後に、杉山氏からの告知が。東京ゲームショウ 2016では9月17日(土)からの一般公開日に、ガルパンのうさぎさんチームの声優陣によるステージや、戦車の気持ちでテーマソングを歌ったトンデモ企画『タンソン』のライブステージ、ガルパンの主題歌を歌うChouchoさんのライブステージが行なわれることが伝えられた。

 また、“全日本模型ホビーショー”(2016年9月23日~25日開催)で実施される戦車トークショーに杉山氏が出演するほか、10月以降も茨城県・大洗町でイベントが続くとのこと。興味を持った方は、ぜひ公式情報をチェックしてみてほしい。

最終更新:9/15(木) 18:41

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