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海外子会社、課税強化 政府、調整本格化 税逃れ対策 配当など国内並みに

産経新聞 9月15日(木)7時55分配信

 政府は今月、日本企業の海外子会社に対する課税強化について、経済界などとの調整作業を本格化した。法人税率20%未満の国につくった子会社の所得を日本の親会社の所得とみなして日本の税率を課す制度を見直し、20%未満という税率基準をなくして適用範囲を広げる。「パナマ文書」問題で関心が高まった課税逃れ対策の実効性を高める。

 財務省は春先から非公式の有識者会議で検討を進めてきた。再開した政府税制調査会でも提言をまとめる予定で、これらを踏まえて与党税制調査会と調整し、平成29年度税制改正での実現を目指す。

 今回、見直すのは「タックスヘイブン対策税制」と呼ばれる仕組みだ。

 現在は、シンガポールや香港など法人税率が20%未満の国・地域にある子会社を対象に、現地での事業実体がない所得を日本の親会社と合算して日本の法人税率(29・97%)を課している。だが、法人税率が25%のオランダや24%の韓国などは対象外で、日本との税額差を利用した節税の余地が残っている。

 このため、20%未満という税率の基準をなくし、課税は所得の種類で判断する。株主配当や特許権使用料収入など現地の経済活動と直接関わりのない所得は対象だが、商品の製造・販売などで得た所得は対象外で現地の税率を適用する。一方、現在は自動的に親会社に合算される航空機リース子会社の所得については、実体があれば対象から外すことも検討する。

 制度を見直せば対象国が大幅に広がり、企業が海外子会社の所得に事業実体があるかどうかを精査する負担が重くなることを懸念する声も根強い。負担が過度に重くならないような所得の種類の線引きの仕方や、制度変更に伴う準備期間の設定などが焦点になる。

最終更新:9月15日(木)8時19分

産経新聞