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遼寧省事件、標的は李首相? 習主席との対立激化 中国

産経新聞 9月15日(木)7時55分配信

 ■代表の半数が当選無効「禁じ手だ」

 【北京=矢板明夫】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会が13日、選挙違反を理由に遼寧省選出の代表45人の当選を無効だと発表した問題が中国国内で波紋を広げている。遼寧省は経済政策などで習近平国家主席と対立する李克強首相のかつての勤務地。李首相の側近への責任追及の可能性も浮上しており首相周辺に打撃を与える狙いだと指摘する声もある。

 全人代代表は間接選挙で選ばれ、遼寧省の定員は102人。うち8人は全人代常務委員会の指定枠で、94人が同省の政財官界の要人から選ばれた。その半数近くが2013年1月の選挙の際、省高官や省人民代表大会の有力者に賄賂を渡した疑いで、代表資格を剥奪されたことになる。その多くは地元の国有企業トップなど財界関係者で、逮捕者が出ることも予想され「遼寧省の経済は壊滅的な打撃を受ける可能性がある」といった意見も聞かれる。

 「習執行部は禁じ手を使ってしまった」。北京の共産党関係者はそう述べ、「どこの省の選挙文化もほとんど同じで、国民は遼寧省だけが違反しているとは思わない。事件の公表で全人代への信頼そのものが崩れかねない」と指摘した。

 このタイミングで遼寧省の事件が表面化した背景について、一部の党関係者は党内の権力闘争との関連を指摘する。習主席の側近だった天津市の黄興国党委代理書記が10日に失脚し、習派には大きな打撃となった。一方、その3日後に明るみに出た遼寧省の選挙違反事件は、李首相周辺への影響が大きいからだ。

 04年から07年に遼寧省トップを務めた李首相自身も、失職した代表らと交流したことがある。また、事件が起きた13年1月には李首相の側近である陳政高氏が遼寧省長を務めていた。

 同省選出の全人代代表でもある陳氏は代表資格剥奪を免れたが、今後、事件への関与などが追及される可能性もある。党関係者は「来年秋の党大会を控え、こうしたことが頻繁に起きそうだ」と話している。

最終更新:9月15日(木)10時58分

産経新聞