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<ミャンマー>米大統領、民主化を後押し スーチー氏と会談

毎日新聞 9月15日(木)22時44分配信

 【ワシントン清水憲司】オバマ米大統領は14日、ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相とホワイトハウスで会談し、主要な対ミャンマー経済制裁を解除する方針を表明した。スーチー氏の訪米は3月のミャンマー新政権発足後、初めて。オバマ氏は「社会、政治、経済に顕著な変化が具体化している」とミャンマー民主化の進展を評価。制裁解除によって経済成長を促し、さらなる民主化を後押しする考えだ。

 スーチー氏も「経済を損なうすべての制裁が解除される時が来た」と述べ、広範囲な解除に期待感を示した。米政府はまた、発展途上国向けの関税優遇措置のミャンマーへの適用再開も発表した。

 オバマ政権は2012年以降、ミャンマーの民主化進展に応じて段階的に制裁を緩和。近く解除されるのは1997年に大統領権限で発動した制裁措置で、米メディアによると、米企業はミャンマーの国軍関係者や関連企業を含めた100以上の個人・企業との取引が可能になる。ミャンマーの主要天然資源である翡翠(ひすい)やルビーの輸入もできるようなる。オバマ氏は制裁解除の時期は明らかにしなかった。また、武器禁輸など米議会の承認が必要な制裁措置は維持される。

 ◇スーチー氏 米中バランス考慮

 【バンコク岩佐淳士】「この場にいられて幸せなのは言うまでもありません。私たちの民主化闘争に寄り添い、助けてくれた米国の人々に感謝を告げられるからです」。オバマ氏との会談後、記者団にこう語ったスーチー氏にとって、米国はさらなる民主化進展に必要なパートナーだ。中国をにらんだ「バランス外交」を図るうえでも、米国との関係強化は欠かせない。

 米国は、ミャンマー旧軍事政権による1988年の民主化運動弾圧を受け経済制裁を発動。2012年以降、大幅に緩和してきたが、米ミャンマー外交筋によると、「スーチー氏の同意」が大きく影響したという。オバマ氏が制裁解除の方針を示したのも、スーチー氏の意向を受けたものだとみられる。

 ミャンマー経済は旧軍政と緊密だった「クローニー(政商)」が牛耳るが、多くが米国の制裁リストに載り、投資の足かせになっていた。スーチー氏率いる与党「国民民主連盟(NLD)」には「(軍部と近い)一部個人への制裁は残すべきだ」(NLD幹部)との意見が根強かった。スーチー氏は経済発展を重視し、財界の要望に応えたとみられる。

 ただ、ミャンマーでは軍人優位の憲法により、軍の権益が温存されている。地元ジャーナリストのゼーウィンナウン氏は、憲法改正など国軍との駆け引きを進めるうえで、「民主化プロセスに米国の支援はまだ必要だ」と指摘する。

 一方、国際社会から孤立した旧軍政が政治、経済面で中国と緊密化したこともあり、NLD内では中国への不信が根深い。ただ、中国はミャンマーの最大の貿易相手国であり、中国政府は中国国境沿いの少数民族武装勢力に影響力を持つとされる。スーチー氏が最大の政治課題に掲げる武装勢力との和平実現には協力が欠かせない。

 ゼーウィンナウン氏はスーチー氏について、「米国と中国の間でバランスを保とうとするだろう」と語る。

最終更新:9月16日(金)1時1分

毎日新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。