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【巨人コラム・Gペン】ギャレット2年目の可能性

スポーツ報知 9月16日(金)16時1分配信

 気がつけば店内のテレビは野球中継に切り替わっていた。マイコラスが鈴木誠也に一発を浴び、歓声が湧き起こり、周りをカープ・ファンに囲まれていることを知った。「マイコラスはいい投手だけど、この前の悪態はよくなかった。ただ、小林も悪い。ミットを下げながら捕球するなんて、プロとしてはありえんよ」。食事をともにしていた目の前の人物は、眼光鋭く画面に視線をぶつけていた。

【写真】小林誠に注文をつけるマイコラス

 広島が25年ぶりのリーグ優勝を決めた日に、その人物、元巨人軍国際部参与の中島国章氏といた。ラミレス、クルーンの巨人移籍を実現させ、かつてはヤクルトの敏腕国際スカウトを歴任。ホーナーやペタジーニら球史に残る外国人獲得に携わった男は、8月28日のDeNA戦(横浜)で、小林誠の捕球の動作に感情的になって激高した助っ人に触れた後、続けた。

 「にしても、監督はあまりに無表情すぎる。ただ単に感情を出せばいいってものではないが、ミスや凡プレーに対して、たまにはパフォーマンスでもいいからベンチで怒ったりしないと、選手はこれでいいや、になる。緊張感も生まれない」

 1972年に球界入りし、2012年に巨人を退職するまで実に40年間、主に国際渉外担当としてチーム補強に携わってきた中島氏は、高橋監督の1年目をそう評した。国内だけでなくメジャーの名将とも交流が深いプロの目には、指揮官の無表情が逆に何をしてくるか分からない、といった不気味さには映らなかった。実際に作戦面での仕掛けも少なかった。緒方監督胴上げの瞬間も、煮えくり返る思いだったはずなのに、表情を崩すことなく、見ることなく、ベンチ裏に下がった。

 もともとヨシノブという選手が感情をめったに出さないことは、ルーキー時代の番記者を務めた頃から変わらない。しかし、立場は変わった。監督になって「個の力」を信じ、肝を据えて選手を送り出したからには泰然自若なのかもしれないが、士気を高めるための感情の表出は、時にはチーム作戦上、必要な時もある。これが、V奪回への課題の一つにもなる、と思う。

 さて、前出の中島氏は高橋監督の来季リベンジに向け、ヒントを残した。「ギャレット。低めをあれだけ振れば投手はそこを突いてくるし、穴は多い。だけど、1年で見切るのでなく、球を見極められるようになれば、日本に慣れた2年目に大化けする可能性はある」

(佐々木 良機=05年巨人担当キャップ)

最終更新:9月16日(金)18時19分

スポーツ報知

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