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【ライブレポート】己龍、2年連続武道館公演からその先の未来へ

BARKS 9月15日(木)18時32分配信

8月29日(月)、己龍が自身2度目となる日本武道館公演を行った。己龍は若手ヴィジュアル系バンドの中でも躍進目覚ましく、「挑戦する姿」を見せ続けている。今回の武道館公演は2年連続での開催だ。

◆ライブ画像

この公演は己龍のワンマンライブ400回目の記念公演、かつ6月にリリースされたアルバム『百鬼夜行』を掲げたツアー<己龍単独巡業「百鬼夜行」>の千秋楽公演でもあり、己龍にとっては特別な一日だ。

このツアーのコンセプトアルバムとなった『百鬼夜行』は、ライブ感の強い楽曲で構成されている。本アルバムがリリースされたときはこれを持って武道館へ挑むその姿勢に驚嘆したが、これも「挑戦し続ける」というスタンスを持った己龍らしい作品なのかもしれない。

この日のステージは、アルバム『百鬼夜行』の世界観に基づき、障子や燭台に彩られた怪談のようなセット組みがなされていた。朱の鳥居や太鼓橋が設置され艶やかな印象だった昨年の武道館公演とはまた違った雰囲気。開演前のSEもなんと国歌「君が代」のアレンジ。“和製”をコンセプトに掲げる己龍ならではの演出だ。

君が代が入場SEに変わり、手提灯をもったメンバーがそれぞれ現れ、黒崎眞弥(Vo)がさっとステージに提灯をかざすとステージ上の燭台に火がともり、武道館公演が幕を開けた。

1曲目はアルバム「百鬼夜行」に収録されている「日出ズル國」。そこから「鬼遊戯」、「阿吽」と、アルバムとツアーのコンセプトにぴったりのセットリストでライブがスタート。「彩」「朔宵」ではファンの掲げる色とりどりの扇子が舞い、武道館が彩られる。

そして六曲目「百鬼夜行」。大きな音とともに火薬の特効がなり、ステージ花道に現れたのは妖怪。妖怪たちを足元にまとわらせながら演奏するメンバーの姿は「百鬼夜行」のミュージックビデオの世界観そのもの。己龍のコンセプトでもある“和製ホラー”の世界観にファンは大きな歓声を上げた。

そこから「千鶴」「イナイイナイ」「泡沫」とアルバム収録曲を立て続けに演奏。「百鬼夜行」での演出の流れを汲み、ひとつのエンターテインメントショーともいえる構成。ファンもその雰囲気にのまれるかのようにヘドバン、ジャンプを繰り返し、いつもライブハウスで行っているライブとまるで変わらないような光景が生み出された。改めて己龍はライブバンドだということを想わせてくれるライブだ。

その雰囲気をガラッと変えたのがライブ中盤で披露された「盲」。重いサウンドに切ないメロディがのる、バラードである。黒崎眞弥自身、目の病を患っているのだが、せつせつと“見えるもの、見えないもの”を歌い上げるその姿には胸を打つものがあり、涙を浮かべて聴き入るファンの姿もあった。

再度アルバム収録曲が披露されたあとのMCでは、黒崎眞弥が「荒ぶる叫声を俺たちにぶつけろ、荒ぶり続けろ」と煽り、会場からはわれんばかりの声が上がる。メンバーとファンのコールアンドレスポンスで互いの激情を確認しあった。

「日本武道館、全員で飛ばしていくぞ」の声から始まった終盤は、「化猫」「井底之蛙」「鬼祭」「心中歌」と新旧織り交ぜた攻撃的なナンバーのオンパレード。頭を振り続けるファンは、もうここが日本武道館であることも忘れたかのように、座席も何も関係なく暴れ続けた。

本編ラストで披露されたのは、これぞ己龍、という和テイストの楽曲「アマテラス」。ボーカルソロでは、会場全員で歌う場面も。発射された銀テープを振りながら、日本武道館全体がメンバーも客も一体となった瞬間だった。

「今日は本当にどうもありがとう」と感謝の気持ちを述べ、ステージを去るメンバーの顔はみな穏やかで幸福に満ち溢れていた。昨年の武道館公演では、どのメンバーもどことなく緊張感があったように見受けられたが、今回の公演ではある種の余裕が感じられた。

アンコールで登場したメンバーはいつも通りの様相。酒井参輝(G)がしっかりと本ツアーにかけた思いを語れば、九条武政(G)はジョークを交えたトークで会場をなごませる。一色日和(B)が素直に今日の感想を述べ、遠海准司(Dr)は初披露の4バスドラムセットを嬉しげに紹介。そこにはどんな会場でも変らない己龍の姿があった。

黒崎眞弥は「変わらぬように変わり続けるという信念を持って、守るべきものを守り抜き、壊すべきものはぶち壊す」とこれからの活動への強い決意を語る。「より大きな夢をつかむために、信じてついてきてよかったと思えるバンドになります」という言葉にはファンから大きな拍手が送られた。

アンコールでは聴かせる楽曲「天照」、激しい楽曲「九尾」「朱花艶閃」などバラエティに富んだ5曲が披露された。その中でも特に2008年にリリースされた「アナザーサイド」収録の「愛シクモ切ナイ仄甘ク喘グ其ノ声ヲ」にはファンから喜びの悲鳴が上がる。ライブでも久々の演奏だ。

そしてアンコールラストは「叫声」。会場全体が明るい照明に照らされ、ひとりひとりの晴れやかな顔がはっきりと見える。「僕の叫びは届いてますか」と高らかに歌い上げ、こみ上げる思いを伝えようとする黒崎眞弥、できるだけファンの目線になろうと座り込んでギターを弾く九条武政、心から楽しそうにドラムを叩く遠海准司。ニコニコと明るい笑顔を見せながらステージを飛び回る一色日和、そしてメンバー全員と会場全体を見守る酒井参輝。本当に楽しそうな印象だった。

アンコール中、スクリーンに映し出されたのは己龍が事務所に所属したばかりのころの8年前のライブ映像。その映像と目の前に広がる武道館でのライブの光景を見比べたときに、もちろんバンドとしては格段にレベルアップしているのだが、実はその本質は何も変わっていないことを思わせられた武道館公演であった。

最後のMCで黒崎眞弥(Vo)は「死に物狂いでここからまた頑張ろうと思えた日だった」と語った。己龍はこれから11月23日(水)にニューシングル「月下美人」のリリース、11月26日(土)からは再度の全国ツアーが決定している。千秋楽公演は来年2017年の1月15日(日)にNHKホールにて。ここではまた己龍が変わらず提示し続けてきた「挑戦する姿」が見られることを期待したい。

写真◎Keiko Tanabe
文◎BARKS編集部 Yoko Hattori

<己龍単独巡業「百鬼夜行」-千秋楽->セットリスト

一、日出ズル國
二、鬼遊戯
三、阿吽
四、彩
五、朔宵
六、百鬼夜行
七、千鶴
八、イナイイナイ
九、泡沫
十、盲
十一、鉢持摩ヨリ
十二、恋心 -再構築-
十三、化猫
十四、井底之蛙
十五、鬼祭
十六、心中歌
十七、アマテラス
~再演~
十八、天照
十九、九尾
二十、朱花艶閃
二十一、愛シクモ切ナイ仄甘ク喘グ其ノ声ヲ
二十二、叫声

己龍 15thマキシシングル「月下美人」

2016年11月23日(水)4type同時発売

・Atype[初回限定盤]CD+DVD
¥1,800(税別)/BPRVD-229
CD2曲+DVD「月下美人」PV・メイキング
[CD]
1.月下美人
2.タイトル未定A

・Btype[初回限定盤]CD+DVD
¥1,800(税別)/BPRVD-230
CD2曲+DVD「月下美人」マルチアングルPV
[CD]
1.月下美人
2.タイトル未定A

・Ctype[通常盤]
¥1,500(税別)/BPRVD-231
CD2曲+ボーナストラック+インスト3曲
[CD]
1.月下美人
2.タイトル未定A
3.タイトル未定B
4.月下美人(オリジナル・カラオケ)
5.タイトル未定A(オリジナル・カラオケ)
6.タイトル未定B(オリジナル・カラオケ)

・Dtype[通常盤]
¥1,500(税別)/BPRVD-232
CD2曲+ボーナストラック+インスト3曲
[CD]
1.月下美人
2.タイトル未定A
3.タイトル未定C
4.月下美人(オリジナル・カラオケ)
5.タイトル未定A(オリジナル・カラオケ)
6.タイトル未定C(オリジナル・カラオケ)

※全タイプ共通封入特典:トレカ2枚(全10種)
※全タイプ購入応募特典:応募者全員に<己龍単独巡業「月嘩睡敲」>ツアーパンフレットプレゼント!

<己龍単独巡業「月 嘩 睡 敲」>

2016年11月26日(土)東京 新宿BLAZE
2016年11月29日(火)長野 長野CLUB JUNK BOX
2016年12月2日(金)新潟 新潟LOTS
2016年12月4日(日)宮城 仙台darwin
2016年12月6日(火)青森 青森Quarter
2016年12月9日(金)北海道 函館 club COCOA
2016年12月11日(日)北海道 札幌ペニーレーン24
2016年12月16日(金)静岡 浜松窓枠~己龍生誕九周年記念~
2016年12月18日(日)大阪 BIG CAT
2016年12月20日(火)広島 CLUB QUATTRO
2016年12月23日(祝・金)福岡 DRUM LOGOS
2016年12月25日(日)愛知 名古屋BOTTOM LINE
2017年1月3日(火)千葉 柏PALOOZA
2017年1月4日(水)神奈川 】川崎CLUB CITTA'
2017年1月6日(金)埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
2017年1月11日(水)群馬 高崎club FLEEZ~遠海准司生誕祭~

千秋楽公演
2017年1月15日(日)東京 NHKホール

・東京、神奈川、愛知、大阪、福岡公演のみ
開場/開演 17:00/18:00
・それ以外の公演
開場/開演 17:30/18:00
・千秋楽
開場/開演 17:15/18:00

[FC先行]9月5日(月)16:00~9月15日(木)23:59まで
[一般発売日]10月15日(土)~ プレイガイド発売

最終更新:9月15日(木)18時32分

BARKS