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八戸「また会おう」 マシューズさん首都圏移住へ

デーリー東北新聞社 9月15日(木)10時46分配信

 米国出身のジャズピアニストで編曲家のデビッド・マシューズさん(74)が、2014年2月から滞在していた八戸市を離れ、今月下旬に仕事の関係で首都圏へ移り住む。2年半余りの間、地元のジャズバンドとの共演を数多く楽しみ、子どもたちの音楽指導にも関わるなど交流を深めた。13日は県立八戸北高などで、引っ越し前最後となる演奏を行った。取材に「今後も愛するジャズのまち・八戸でライブをやりたい。グッドバイではなく、シーユーレイター(また会おう)」と、ファンへのメッセージを残した。

 マシューズさんは数々の名アレンジを世に送り出し、グラミー賞を受賞するなど世界的に有名な音楽家。14年に札幌市での音楽監督就任を機に、交通の便を考え、日本人の妻が長年暮らした八戸市に居を構えた。ただ、音楽監督の契約満了を来年に控え、日本の音楽家と仕事する機会を増やしたいとの思いから、活動拠点を首都圏へ移すことにした。

 八戸に滞在中は、市内と周辺地域の音楽イベント、ライブハウスでの演奏会、病院などの慰問コンサートに小まめに出演。小中高校の吹奏楽部や合唱部へのクリニックもこなした。「八戸は地方都市としてはビッグバンドの数が多い。仕事を抱えながら熱心に練習し、上手なプレーヤーがたくさんいることを、共演を通じ実感した」という。

 当初から、八戸では若い音楽家を育てたいという思いが強かった。うれしかったのは今年6月、地元のジャズ愛好家が子どもたちと一緒に演奏を楽しみながら指導する「八戸ジャズ楽団」(久保沢清吾代表)を結成したことだ。マシューズさんは総合指導者を務める。

 今後も、できれば年に数回は八戸を訪れ、同楽団とライブを開きたい考え。「南郷サマージャズフェスティバルにも、機会があれば出演したい」と意欲を見せる。また、東日本大震災で津波被害に遭った三陸沿岸各地を同楽団と回って演奏し、音楽で元気づけたい―との構想も思い描く。

 13日は、かつて「マンハッタン・ジャズ・オーケストラ」で共演した米国出身のトランペッター、ニール・ストルネイカーさんと八戸北高のクリニックに参加。吹奏楽部員らを丁寧に指導した。同市のライブハウス「いわぶち響堂」では、被災地への思いを込め作曲した「日本への祈り」など、スタンダードナンバーを即興で次々に披露。最後まで柔和な笑顔を絶やさず、集まった多くのファンに“再会”を誓った。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月15日(木)10時46分

デーリー東北新聞社