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新日鉄住金、三井物産と共同でメキシコガスパイプライン向けUO鋼管と厚板60万トン受注

鉄鋼新聞 9/15(木) 6:00配信

 新日鉄住金は14日、三井物産と共同で、メキシコのガスパイプラインプロジェクト向けに大径溶接鋼管(UO鋼管)と、その母材となる厚板を計60万トン受注したと発表した。同社の統合発足後、最大のエネルギー鋼材受注案件となる。出荷は近々に開始し、来年5月までの予定。鹿島と君津の2製鉄所で造り輸出することから、両所の厚板ミルでタイト感が強まりそうだ。

 同プロジェクトは、加トランスカナダ(本社・アルバータ州カルガリー)と墨イエノバ(本社・メキシコシティ)のコンソーシアムによる事業。米国テキサス州のブラウンズビルから墨中部のトゥクスパンまで約780キロメートルを結ぶ海底パイプラインで、2018年末の操業開始を予定している。
 新日鉄住金は、全長の半分に当たる390キロメートル分でUO鋼管を約35万トン供給。残る半分はUO鋼管の母材として約25万トンの厚板を墨鋼管メーカーのツバセロ(本社・ヌエボ・レオン州モンテレー)へ供給し、造管されたものが使われる。
 UO鋼管と厚板で供給するのは、トランスカナダの現地調達義務を踏まえ、新日鉄住金が提案したもの。こうしたツバセロを活用した供給スキームや、UO鋼管と厚板を造れる鹿島、君津の両拠点によって60万トンもの大ロットを短納期で供給できること、海底パイプラインに使われる厚肉の大径鋼管で豊富な実績があることなどが受注につながった。
 新日鉄住金は、UO鋼管を鋼管事業部の油井管・ラインパイプ営業部で、鋼管素材となる厚板は厚板事業部の厚板営業部エネルギー鋼材室で扱っている。同社はエネルギー分野で品種横断の営業を推進してきたが、今回は顧客ニーズもあり両品種一体での大口受注を実現した。
 供給する鋼材のスペックは、X65とX70で、鋼管外径は主に42インチ(1066・8ミリ)で一部48インチ。鋼板板厚はメーンが36ミリメートルで27ミリも供給する。厚物ながら強度を確保し、低温靭性にも耐えられる仕様となっている。
 ツバセロは1943年に設立した同国最大の鋼管メーカー。UO鋼管やスパイラル鋼管合わせ年間80万トン程度の生産能力を持ち、モンテレーとヴェラクルス州パヌコに主要工場がある。ツバセロへは新日鉄住金が統合前の06年から厚板の供給を開始し、統合後の13年から取引を本格化。三井物産との関係も強い。三井は鉄鋼製品本部エネルギー鋼材事業部でUO鋼管、厚板とも扱っている。
 鋼管や厚板需要は世界的に軟調で、エネルギー鋼材での受注競争も激しくなっている。ただ今回のプロジェクトは過酷な使用環境下の海底パイプラインだけに、実績ある新日鉄住金の強みがより発揮された。UO鋼管の案件だけに、厚板ミルのロール引き締まりにも大きく寄与することになる。

最終更新:9/15(木) 6:00

鉄鋼新聞