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芸子もメロメロ! 川の水さえも流れを止めた「久坂玄瑞の美声」

TOKYO FM+ 9/15(木) 11:26配信

時代劇などでよく耳にする江戸っ子の会話。でも実は、発音や話し方などは当時のものとは全然違うのでは?とも言われています。現代では男性の「美声」というと、さまざまな有名人の名前がいくつも挙がりますが、江戸時代の男性の「美声」とは、いったいどんなものだったのでしょうか?

はるか昔、東京の街にはどんな人が住んでいたのか。
私たちはあらゆるヒントからその風景を想像します。
浮世絵、歌舞伎、建造物。
ですが、ひとつだけ、どうしてもリアルにはわからないことがあります。
「声」です。

江戸時代には録音技術はありません。
日本人の声を録音した、現存する最古のものとされているのが、明治33 年のパリ万博を訪れている日本の人々の声。
ですから私たちは、江戸以前の人々がどんなトーンで話し、どんな声が美しいとされていたのか、想像することしかできないのです。

そんな中、言い伝えで「とてつもない美声だった」と言われている人物がいます。
幕末の志士、久坂玄瑞です。
ご存知、吉田松陰の妹である「文」の旦那さん。
背が高く端正な顔立ちで女性に大変人気があり、なんと文と結婚する際も「好みの顔立ちでない」と一回断ったのだとか。

そんな玄瑞の魅力のひとつが「声」。
詩吟が得意だった彼、ひとたびお座敷で披露すれば、芸子たちはメロメロになったといいます。
「玄瑞が詩吟をはじめると祇園の音はやみ、加茂川の水も流れを止めた」
「樹木をみな震わせるような歌声」
そんなふうに言われるほど、美しい声だったそう。
松下村塾には、その詩吟を聴き、号泣した門下生もいるとか。

どれほどの声なのか聴いてみたい……そう思っても録音は残っていません。
ですが、玄瑞の詩吟は「久坂流」として現代まで伝わっています。
彼の美声をよりリアルに想像してみたい、という方は、詩吟の世界に足を踏み入れてみるのもいいかもしれませんよ。

(TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」2016年9月14日放送より)

文/岡本清香

最終更新:9/15(木) 11:26

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