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台風10号禍「激甚」に 首相、農相が北海道視察

日本農業新聞 9月15日(木)7時0分配信

 安倍晋三首相は14日、台風10号の豪雨による被害状況を把握するため、北海道を訪れた。首相は自衛隊のヘリコプターで上空から帯広市周辺を視察した後、農家やJA組合長らとJA帯広かわにしの事業所で意見を交換。国として全力で農業の復旧・復興に力を入れる考えを示した。16日の閣議で激甚災害の指定を行う方針を記者団に明らかにした。山本有二農相も同日、北海道の農業被害を視察した。

 首相は農業関係者らに「台風の爪痕を目の当たりにした。国としても全力で、なりわいの復旧・復興に力を入れて、(被災者が)元の安心して生活できる日常を取り戻すために全力を傾けていきたい」と表明した。

 同JAの有塚利宣組合長は「農業の成長産業化に向けて取り組む矢先に今回の被害が出た。一刻も早く復興に向かうよう国の力を借りたい」と要望。JA北海道中央会の飛田稔章会長は「一番心配なのは、災害で組合員がもう農業をやれないと思うこと」と強調し、支援を求めた。

 被災した農家は「復旧が遅れるほど農業経営が厳しくなる」「農地や牛舎が流されるだけでなく、病害などが出て負の連鎖が続いている」「畑の被害は消費者への食料供給に直結する」などと訴えた。

 同日は山本有二農相も北海道の北見市と十勝地方を訪れ、台風による農業被害の状況を視察した。河川の決壊による農作物や農地の浸水、倒壊した牛舎などを確認。被災した農業者の経営再開に向け、「現場の気持ちに寄り添って、スピード感を持って被害状況の全容把握と災害復旧に全力で取り組む」と述べた。

 芽室町では、美生川の決壊で沿岸の農地一帯が土砂や流木に埋もれ、スイートコーンなどが収穫できなくなった現場を訪ねた。山本農相は、河川付近で甚大な被害が出ていると指摘。営農再開には農地復旧だけでなく、河川の整備も必要との認識を示し、「各省と連携を取りたい」と述べた。北見市でジャガイモやテンサイの冠水被害も確認した。

 帯広市で高橋はるみ知事やJA北海道中央会の飛田稔章会長、地元JA代表らと意見交換した。山本農相は、今回の台風被害が激甚災害に指定される見通しとなったことを踏まえ、「査定前着工制度を積極的に活用し、速やかに農地などの災害復旧事業を進めたい」と強調した。

日本農業新聞

最終更新:9月15日(木)7時0分

日本農業新聞