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「トップインタビュー」<古河機械金属・宮川社長>佐倉工場のマザー機能強化

鉄鋼新聞 9月15日(木)6時0分配信

――足元の事業環境をどうみているか。
 「為替と銅価が期初予想を下振れたことから4~6月期は厳しいスタートだった。7~9月期に入ってもその環境は変わっていない。もともと今期は営業利益ベースで上期30億円、下期50億円という計画ではあるが、機械事業を中心に下期でカバーし、通期目標を達成していく。一方で、昨秋に25年度に向けた長期ビジョンを公表したが、目先の業績に一喜一憂せず、中長期的な観点での種まきも進めていきたい」

――4~6月期は機械事業が苦戦した。
 「海外の伸び悩みなどで特にロックドリルが苦戦した。ただ、トンネルドリルジャンボなどは海外で受注できる環境が整ってきたとみている。ユニックもタイの新工場が軌道に乗り、利益を見込めるようになってきたのは大きい」
――機械事業の成長戦略については。
 「国内でリニア中央新幹線のトンネル工事関連の販売が本格化するのは少し先だが、当面は東北の復興支援道路、北海道新幹線の工事関連などに期待している。だが、成長戦略という意味ではやはり海外需要をどう取り込んでいくかが課題。これは他の機械部門も共通だが、インドまで含めたアジア市場でまだまだ伸ばす必要がある。ユニックは中古ビジネスを含めて東南アジアを中心に市場が広がっているし、産機もアジアを中心に輸出比率を高めていきたい。一方、産機はベルトコンベアが陸前高田市の高台移転工事での実績を評価され、すでに他の大型受注案件の獲得に結び付いている。陸前高田の工事では工期短縮という利点が大きかったが、土砂の搬出時にダンプを用いないため、近隣の道路渋滞回避やCO2削減につながるという点も評価されているようだ」
――ユニックでは佐倉工場(千葉県)で大型投資を実行している。
 「昨年はタイを主力の輸出拠点とするための能力増強を実施した。これに対して佐倉では製品開発やモノづくり力の強化、海外人材の育成も含めたサービスマンの教育機能の強化などマザー工場としての役割を強化するねらいがある。事務棟や研修施設、ショールームなどが入る建屋なども新設しており、基幹部品の内製化や塗装工程の増強など能力的にも拡充する」
――素材事業については。
 「金属事業は価格と為替の影響を受けるので収益を安定化させるのが難しいが、一定の利益は確保していきたい。鉱山投資については、少し前は良い案件があれば前向きに考えていたが、銅価が低迷している現在の環境下でどう考えるか。足元だけみれば必要ないと言えるが、10年先、20年先も見据える必要がある。可能性はゼロではないが、当面は現在のスキームの中で対応することになるだろう」
 「化成品では現有設備を有効活用しようという取り組みの中から銅関連でいくつか楽しみな新製品が出てきた。小粒ではあるが、安定的に利益を出していければと期待している。電子部門ではコイル製品、窒化アルミ、光学部品といった戦略商品の拡販を進めているが、それに続く製品がまだみえていない。ここは開発部門に頑張ってもらっているところだ。コイルは採算性を改善するために新設したフィリピンの拠点がいよいよ本格生産を開始した。今後はこの新拠点をてこにして中国拠点の再構築も考えていく。窒化アルミも従来よりも少し上流工程を取り込むことでコスト削減を図ることを検討している。引き続き戦略商品に注力し、その間に次の柱になる製品を二つ、三つと育てていきたい」
――現在策定中の新中期経営計画(17~19年度)については。
 「長期ビジョンで設定した25年度までに三つの中計を経ることになるが、次の中計はその第1フェーズとして新規事業の種まきや基盤整備が重要課題になる。機械では戦略的なM&Aの積極的推進や、アフターサービスなどストックビジネスの取り組み強化で安定的な収益体制の構築につなげたい。また、アジア戦略という点では機械の中核3社で情報を共有し、シナジーを生みだせるような組織も模索したい。一方で、現場を担う人材基盤の強化も重要課題で、事業戦略と人事戦略は両輪で進める。現状では人材開発は人事総務の担当だが、人事戦略を担うチームを発足させることも検討したい。また、10年後に向けた業務改革の一環として業務システムの更新なども考えている」
――中期的な投資方針については。
 「ユニックの佐倉だけでなく、ロックドリル、産機も工場改革がもう一段必要だ。また、目先はトンネルドリルジャンボの受注が増えるのでその増産対応が求められる。素材では電子、化成品での投資が出てくるだろうし、新たなコイル製品の開発も進める。また、長期的な話ではあるが、コイルは工場の完全自動化ができれば理想的だと考えており、場合によってはその間にもう1拠点という可能性もあるかもしれない」(相楽 孝一)

最終更新:9月15日(木)6時0分

鉄鋼新聞

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