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ハッキング集団「ShadowBrokers」と沈黙のNSA (2) スノーデンも主張する「ロシア犯人説」

THE ZERO/ONE 9月15日(木)11時55分配信

奇妙なタイミングでNSAのサイトがダウン

イクエーショングループの武器オークションの騒ぎが白熱する中、「おそらくは窃盗の被害者」という立場となったNSAの公式サイト「nsa.gov」では深刻な障害が発生していた。同ウェブサイトのページにアクセスすることができなくなり、「Service Unavailable」のエラー画面が表示されるという現象が起き、それは8月15日の夜から翌16日の夕方まで約18時間に渡って続いた。

米FOXニュースは、それを「Shadow Brokersの声明が発表されたあとに」起きた出来事として興奮気味に伝えた。また一部のニュースサイトでは「ハッカーがNSAのサイトをテイクダウンした」、「Shadow Brokersの声明が発表された数時間後にサイトがダウン」など、煽るような表現で報道された。

そして8月17日の午後、NSAはTwitterを通してサイトの復旧を告知すると共に、今回の問題が「15日に発生した嵐の影響」であったと伝えた。しかし、その原因説明を疑わしいと感じた人々も少なくなかったようだ。

『The Register』の記事にも「犬が宿題を食べたんです」「嵐の次は日光か、月光か?」などの嘲笑的なコメントが寄せられた。しかしNSAのサイトがダウンしていた頃、NSAの本拠地のメリーランド周辺で嵐と大雨が発生していたことは事実であるため、決して有り得ない話だとも言えないだろう。

事の真相はともあれ、このアクセス障害のタイミングは「これ以上にないほど憶測を呼びやすいものだった」とZDNetは8月17日に記している。

Shadow Brokersとは何者なのか?

このようにNSAは、ウェブサイトで発生したアクセス障害に関する案内こそ行ったものの、Shadow Brokersの一連の騒ぎに関しては相変わらずのノーコメントを貫いた。問題のオークションのページに示された盗品はNSAの極秘プログラムに関するものばかりで、さらにNSAが現在でもイクエーショングループとの繋がりを認めていないという点を考えれば、何を発言しようにも地雷だらけなので、沈黙するのは当然だとも言える。

そんな中、セキュリティ関係者たちの間で盛り上がったのは犯人捜しだ。突如として現れたShadow Brokersとは何者なのか? なにしろ今回の事件は、通常のハッキングのように米国政府が「容疑者」を特定して非難することができないため、その憶測は広がる一方だった。しかし真っ先に疑われるのは、やはりロシアということになるだろう。先日ここでお伝えした米民主党全国委員会(DNC)のサーバー侵入事件でも、米国は「諜報活動を目的としたロシア政府の仕業」と断定したばかりだ。

今回のニュースを読んだ一般読者たちは、「NSAの自作自演」「WikiLeaksの仕業」「ヒラリーの罠」など陰謀論めいた話題を含めて様々な憶測を語ったものの、多くの識者たちの見解は「ロシアなのか、そうではないのか」という論点へと向かった。

ロシア政府の攻撃であった可能性が最も高い、と主張した人物の一人に、あのエドワード・スノーデンがいる。彼は8月15日、当事件に関する長い意見をTwitterに連投した。その8番目のツイートで彼は次のように記している。「状況証拠と一般常識は、それが『ロシアの仕業』だと示唆している」

実は、このツイートをスノーデンが投稿したのは、以前にお伝えした「スノーデンのデッドマン装置起動説」が流れた直後だった。8月15日というのは、死亡説まで囁かれたスノーデンが10日ぶりに沈黙を守ってTwitterの活動を再開した日である。さらに「ロシアに亡命しているスノーデンが、ロシアを犯人に選んだ」という内容のきわどさもあってか、彼のツイートは普段にも増して注目され、数多くの大手メディアに転載された。

暗号界の重鎮ブルース・シュナイアーも、8月16日のブログで次のようにコメントした。「どこの国の政府が、このような行動を起こすだろうか? あからさまな(容疑者の)リストは短い。中国かロシアだ。もしも賭けをするのなら、私はロシアに賭けよう」

さらに8月17日の『The New York Times』は、Shadow Brokersの文章が「出来の悪いスパイ映画で見られるような怪しい英語であることも含めて」という冗談めいた解説をしつつ、「これはおそらくロシアによる心理作戦の類いだろう」との見解を示すコンピューター専門家、James A. Lewisのコメントを掲載した。

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最終更新:9月15日(木)11時55分

THE ZERO/ONE

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