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自閉症原塚さん細密画巧み 記憶力や計算力など多才 五島・展示会 母「伸ばしてあげたい」

長崎新聞 9月15日(木)9時39分配信

 自閉症の原塚祥吾さん(21)=五島市新港町=が描く絵が、市内外で話題だ。フリーハンドで引くきれいな直線や巧みな曲線で生まれた遠近感など、年齢を重ねるごとに繊細さは増している。手先の器用さだけでなく、記憶力や計算力、音感なども優れ、母の由美子さん(51)は「自閉症といっても個性や能力はさまざまある。それぞれに多くの可能性があることを知ってほしい」と話す。

 生後、言葉が出るようになるのは遅かったが、3歳を過ぎると何の問題もなく会話できた。ただ、数字や文字に異様なほど強い関心を抱き、不快な音に敏感に反応して泣くなど、他の子と比べて「気になる部分はあった」(由美子さん)。市立福江小1年時に医師から自閉症だと告げられた。

 市立福江中では特別支援学級に入り、卒業後は県立鶴南特別支援学校五島分校高等部に進学。中学時代から徐々に言葉に詰まるようになって会話も難しくなるなど、つらいこともたくさんあったが、由美子さんは「好きなことを自由にさせて、伸ばせるところを伸ばしていこう」と前向きに考え続けた。

 秀でた能力は幼少期から光っていた。一度耳にしたメロディーを楽譜を見ずに奏でたり、他人の生年月日を聞いてその曜日を当てたり-。ときには「100÷16・2×60×60=22222・2...」など、答えが規則的になる式をひたすら考え書き続けることもあった。由美子さんはそうした紙や記録を今も大切にファイルに保存している。

 その中で最も多いのが、5歳ごろから夢中になっている絵画。五島市内のなじみの場所や家族で出掛けた旅先での景色を鮮明に記憶し、家に帰って忠実に再現したり、お気に入りの道路や風景を自由に組み合わせて架空の街並みを描いたりと多種多様だ。難解な迷路などもいとも簡単に仕上げる。その実力が認められ、小学6年から現在まで、数々の作品が発達障害の専門情報誌に連載されている。

 市内では東浜町1丁目のカフェレストラン「たゆたう。」で9月末まで作品の一部を展示中。由美子さんは「一言で自閉症といってもまだまだ分からないことがたくさんある。この子がありのままに描いた作品を見て何かを感じ、障害への理解が少しでも深まれば」と話している。

長崎新聞社

最終更新:9月15日(木)12時18分

長崎新聞