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孤立無援?H3ロケットは2020年ロケット五輪で勝てるか ~ファルコン9炎上、ロケットビジネスの行方(後編)~

sorae.jp 9/15(木) 18:59配信

限界を打ち破るH3ロケット

前編では、快進撃を続けているように見えるスペースXが、実際にはかなりの窮地に陥っていることを解説しつつ、そのライバルとしてのH-IIAロケットの実力を見てきた。H-IIAロケットは優れたロケットだが、打ち上げ能力と価格の両面で、ファルコン9には今一歩及んでいない。
これらの事情を一挙に打開するべく開発中の新型ロケットが、H3ロケットだ。H3ロケットは目標価格が50億円ということだけが独り歩きしている感があるが、それは地球観測衛星などを打ち上げる最小構成の価格。ブースターの追加などで4つの構成が計画されており、静止衛星打ち上げ能力6.5tのH3-24L型は70億円程度と推定される。ファルコン9よりやや高額だが打ち上げ能力は遜色なく、総合的にはほぼ拮抗していると言えよう。
2020年に初飛行を予定するH3ロケットで殴り込めば、ファルコン9も恐れるに足らず…と言うには、まだ苦しい事情がある。

やり繰りが苦しい種子島宇宙センター

ファルコン9には現在、3個所の発射台がある。静止衛星や宇宙ステーション向けのロケットは、フロリダのケープカナベラル空軍基地、ケネディ宇宙センターの2個所(と言っても隣接する施設だが)から東へ打ち上げる。地球観測衛星などは南へ打ち上げるが、フロリダから南へ飛ばすとキューバや中米の上空を通ってしまうので、カリフォルニアのバンデンバーグ空軍基地から打ち上げる。さらにニューメキシコに建設中の民間発射場を合わせると、4か所から打ち上げ可能だ。
一方、H3ロケットは種子島宇宙センターの1箇所だけで、全ての打ち上げを行う。現在は発射台とロケット組立設備が2組あるが、片方はH-IIBロケット用なのでH-IIAロケットが使えるのはもう一方だけ。H3ロケットではコスト削減のため1組を休止する予定だ。スペースXは4か所で年20機のファルコン9を打ち上げようとしているが、1か所あたりでは5機と考えるなら、最大6機を打ち上げている種子島も同じくらい忙しい。むしろ、発射場が1つしかないので、衛星の打ち上げ希望時期が近接した場合の調整が大変だ。
実際、今年の種子島では宇宙ステーション補給機「こうのとり6号」の組立中に不具合が見つかり、気象衛星「ひまわり9号」の打ち上げが先になった。幸い「こうのとり6号」はH-IIBロケット、「ひまわり9号」はH-IIAロケットなので並行して準備が可能だが、H3ロケットでは施設が1つになるのでやり繰りが大変だろう。

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最終更新:9/15(木) 19:21

sorae.jp

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