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「106万の壁」と「国民年金の第3号被保険者の廃止」は、無関係であって無関係ではない

マネーの達人 9/15(木) 5:42配信

平成28年10月1日から、次のような要件をすべて満たすと、パートやアルバイトなどの短時間労働者であっても、社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入する必要があります。

A: 1週間の所定労働時間が20時間以上になること

B: 給与の月額が8万8000円(年収なら106万円)以上であること

C: 勤務期間が1年以上の見込みであること

D: 学生ではないこと

E: 従業員数が501人以上の事業所に勤務していること

「106万円の壁」

最近インターネットのニュースなどを見ると、この中の(B) のことを「106万円の壁」と表現し、社会保険の適用拡大に関した特集をよく行っております。

そのため最近は正確な知識が、周知されるようになったと感じるのですが、以前はこの社会保険の適用拡大と、国民年金の第3号被保険者の廃止を、混同している方が多いように感じました。

■国民年金の第3号被保険者とは

国民年金の第2号被保険者である会社員や公務員の、配偶者(年収130万円未満が要件)が利用できる制度であり、第3号被保険者になれば保険料を納付する必要はありません。

「社会保険の適用拡大」と「第3号被保険者の廃止」は全く別の話

確かに社会保険の適用が拡大されれば、第3号被保険者の人数は減ってしまうと予想されます。

しかし第3号被保険者の多くは、配偶者控除を受けるため、年収を103万円以内に抑えているため、たとえ社会保険の適用が拡大され、106万の壁が出現しても、第3号被保険者を消滅させてしまうほどのインパクトはありません。

また第3号被保険者の縮小や廃止に関する議論は、継続して行われておりますが、法改正はまだ実施されておりませんので、社会保険の適用拡大と第3号被保険者の廃止は、全く別の話になるのです。

厚生労働省から示された第3号被保険者の改革案

第3号被保険者の縮小や廃止について、本格的な議論が始まったのは、平成12年7月に厚生労働省に設置された、

「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会」

からだと思います。

ここで行われた議論を基に厚生労働省は、第3号被保険者に関する次のような4つの改革案を示し、この改革案について、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会の年金部会で、引き続き議論が行われました。

■(1) 年金権分割案

従来通りに第2号被保険者が保険料を納付するので、第3号被保険者は保険料を納付する必要はない案です。

ただ年金権分割案を採用した場合、第2号被保険者が納付した保険料の半分は、第3号被保険者が納付したと見なすので、実質的な負担は増えていないものの、第3号被保険者に新たな負担を課したことになります。

また年金権分割案を採用した場合、第3号被保険者は保険料の半分を納付したことになるので、原則65歳になると老齢基礎年金だけではなく、老齢厚生年金も受給できるようになります。

■(2) 負担調整案

第3号被保険者に対し、基礎年金(例えば老齢基礎年金)という受益に応じて、何らかの保険料の負担を求める案です。

■(3) 給付調整案

第3号被保険者を国民年金の保険料の免除者と、同様の取扱いとし、保険料の負担を求めない代わりに、基礎年金(例えば老齢基礎年金)を減額する案です。

■(4) 第3号被保険者縮小案

現実に一定数の第3号被保険者が存在していることを踏まえ、当面はその制度を維持しつつ、その対象者を縮小していく案です。

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最終更新:9/15(木) 5:46

マネーの達人