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<みずほ>AIで融資審査 ソフトバンクと提携

毎日新聞 9月16日(金)0時8分配信

 みずほ銀行とソフトバンクは15日、人工知能(AI)を使った個人向け融資事業を始めると発表した。利用者がスマートフォンで申し込むと、AIが審査し、利用者が将来稼ぐお金などを予測して貸し出す。こうした情報技術(IT)を活用した新たな金融サービスは「フィンテック」と呼ばれ、大手同士の提携で金融とITの融合が進む可能性がある。

 両社は、融資を行う会社を11月に設立し、来年前半に事業を始める予定。新会社は資本金50億円で、両社が半分ずつ出資する。

 利用者はスマホの専用アプリに個人情報を入力し、インターネットで融資を申し込む。情報は年齢や職業、年収、家族構成などが検討されている。担保は不要。情報をAIが分析・審査し、最短で30分以内に口座振り込みが完了する。審査は基本的にAIに委ねる。

 みずほは顧客への融資、ソフトバンクは携帯電話料金の支払いなどで大量のデータを蓄積している。こうしたビッグデータを匿名化してAIの審査に活用。将来の収入や融資が焦げ付く恐れを予測し、融資額や金利をはじき出す。若者が結婚や留学の資金を賄うケースなどが念頭にある。

 情報を裏付けたり、本人確認したりする手法は今後検討する。みずほやソフトバンクを使ってきた利用者なら、利用者の同意を前提に口座履歴などの情報が活用でき、審査も速くなる可能性がある。

 新会社は店舗が要らないため、コストが抑えられ、低金利での融資が可能。記者会見したみずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長は「日本の金融機関として初めてのサービス」と強調。ソフトバンクグループの孫正義社長は「従来の消費者ローンとは全く次元の違うものになる」と述べた。

 融資や決済、送金などは銀行がほぼ独占していたが、米国ではフィンテックを提供するIT関連企業が台頭。低コストを生かして手数料を安くするなどして急成長している。

 日本は取り組みが遅れていたが、最近になって大手銀行が相次いで参入。三菱東京UFJ銀は今年3月、顧客の問い合わせにAIが音声で対応するサービスを導入した。AIを活用した機器システム全体の国内市場規模は現在の3.8兆円から2020年に23兆円に達するとの試算もある。

 先進的なサービスを開発するには、銀行とIT企業がノウハウを持ち寄ることが必要。金融庁は銀行とIT企業が連携しやすくする規制緩和に着手しており、みずほとソフトバンクの提携はこうした流れを加速しそうだ。

 フィンテックが活発化すると、利用者の利便性が高まる効果が期待できる。一方、口座情報がネットに流出したり、不正送金に利用されたりする恐れもあり、対策が必要だ。【安藤大介、田口雅士】

 ◇フィンテック

 英語の「Finance(ファイナンス=金融)」と「Technology(テクノロジー=技術)」を組み合わせた造語。ITを活用した先進的な金融サービスを指す。具体的には、スマートフォンによるインターネット上の決済▽銀行口座やクレジットカードの利用履歴をまとめた家計簿ソフト▽AIを活用した資産運用アドバイス▽ネット上の売買に使える「仮想通貨」--などがある。

最終更新:9月16日(金)1時18分

毎日新聞