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生半可な知識が一番危険 投資を始める前の心構えとは?

THE PAGE 9/20(火) 15:00配信 (有料記事)

 日本人の多くは「投資」について正しく理解できていないため、株式等の投資に消極的だと述べてきました。前回は「投資クイズ」では、いま現在、あなたが投資についてどの程度理解しているかを確認できたと思います。

 投資に大切なのは、専門知識ではなく心構えで、生半可知識で投資を始めるのはたいへん危険なことです。今回は投資を始める心構えにあおぞら証券・顧問の伊藤武さんが解説します。投資リスクの理解と過去の市場のうねり、そして日本と米国、世界の株式指数の推移などを見ながら、確実に成果を上げていくための投資について考えていきましょう。

  投資リスクの特性とは? 過去の事例から学ぶ

 貯蓄は投資と定義上同一であっても、銀行預金と株式投資との性格は大いに異なります。少なくとも銀行預金や現金を保有すれば、その元本確保を心配することはありません。100円は100円でそれはいつでもその価値が実現できます。そうかと言って決してリスクがないものではありません。預金であろうが株であろうが、投資資産はすべてリスクが伴います。投資行為の最も重要な要素は、投資リスクの特性を理解することと言っても過言でありません。そして株式投資は相場によって変動し、その最大の特性は市場リスクを負うことです。


  日本では「投機」と「投資」を勘違い
 
 前回のクイズでも指摘した通り、投資家心理が災いし、時と場合次第で相場というものは、適正値から大きくかい離してしまいます。相場の流れが大きく変わるとそれは、バブルに通じ、いずれ崩壊してしまいます。

 人間の性が起こす災いは永遠の課題でしょう。17世紀にはオランダでチューリップの球根相場がわずか半年間で300倍ほど膨れあがり、最高値では一つの球根で馬車一台を買えるほどの値段になり、そしてもとの価値に急落してしまいました。日本の経済バブルも人類史上語られる規模のものです。現在仕事をしているサラリーマンで、バブルを経験した人はもう少数になっていますが、経験者の記憶は新しいでしょう。

 日本では株式市場もそうですが、土地神話は揺るぎないものでした。ピーク時では皇居の土地がアメリカのカリフォルニア州全部の土地と同じ評価となりました。広大なカリフォルニア州を旅行し、見分すれば、そんなことは絶対にあり得ないことが分かります。ところが、当時浮かれた投資家は全く不自然とは考えず、むしろ日本の高価な土地価格は自慢の種となりました。東京は土地評価価格に基づき、世界で最大数の億万長者を排出しました。それは時価評価で査定されたもので、もとの木阿弥となりましたが、今では信じ難いことでしょう。

 
  日本では「投機」と「投資」を勘違い

 ということで、バブル空想の語りを受け継いだ世代には、市場に関する関心が失せてしまっています。1989年末、日経平均株価はほぼ3万9000円近辺の高値で引け、25年以上が経過した時点でも、その半分以下の水準に留まっています。それを見ても株式投資が報われるとは思いません。

 1990年代はバブル後遺症に対応する時代で、インフレ環境からデフレ心理に転じ、金利も急低下しました。その時点では、限りなくゼロに収束した金利に対し、多大な不満が表明されました。ところが物価も追随し、当時の流行語は「物価破壊」でデフレ基調となり、日本の名目国内総生産(GDP)は現在なお1997年のほぼ同水準にあります。結果として、個人投資家の大半は株式投資で損をし続けています。

 結局、日本では、株式や為替市場は投機の対象のまま放置され、投資が根付いていません。そして投機の対象としては、株式投資と同様に、一見分かりやすい為替も人気を高めています。個人の為替取引は世界で日本が圧倒的に多く、欧米では為替投機の日本人参加者を「ミセス・ワタナベ」と称しています。また、若い世代の株式取引の主体は、手数料が安価なネット取引に通じ、巨万を稼いでいる若き成功者がメディアでも取沙汰されています。これらは長期型蓄財投資とは全く異なる行為です。


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最終更新:9/20(火) 15:00

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