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2016年度税制改正! 「消費税還付」はもうできない? いまでもできる?

ZUU online 9月16日(金)6時10分配信

消費税8%。100万、200万円ならそれぞれ8万、16万円と大きな額ではありませんが、1億、2億円となれば800万、1,600万円と大きな額です。億単位の額を扱う不動産投資家としては、決して見逃せない額といえます。

不動産投資では「消費税還付」という仕組みがあり、以前から多くの投資家に活用されていました。ただここ数年の間に、複数回にわたって消費税法が改正されています。直近では2016年度にも改正され、以前はできていた消費税還付がもうできなくなったという声が聞かれます。

しかし、消費税還付がまったく受けられなくなったわけではありません。

■消費税還付の仕組みと手法

消費税は、事業者が購入者(消費者)から消費税を預かり、仕入先に支払った分を差し引いて納めます。このため「預かった額」より「支払った額」が多い場合に、払いすぎた分が還付されます。同じ対象に二重に徴収しないようにする、これが消費税還付の仕組みです。

そもそも不動産投資(不動産賃貸)では、アパートやマンションの家賃収入の扱いが非課税の売り上げとなり、消費税が免税されます。「免税」な訳ですから、支払わなくていいはずの消費税の「還付」が受けられるわけはありません。

しかし物件を購入する際に「消費税課税事業者」となるなど一定の条件を満たせば、還付を受けることができました。たとえば税抜き2億円の不動産を買えば、1,600万円(8%)の還付を受けることができる計算になります。

以前人気を集めていたのが、自動販売機を設置する手法です。自販機の売り上げはすべて課税であることから消費税課税事業者となれます。そこで不動産を購入(または新築)、家賃収入を発生させず、自販機で売り上げを発生させる。これらを同年に行って消費税還付を受けるというものでした。

■2度にわたる税制改正で「もう還付は受けられない?」の声

国税当局がこの手法を“租税回避”とみなしたのか、2010(平成22)年度に税制が改正されました。しかしこのときの改正ではまだ“抜け道”がありました。たとえば、課税事業者を選択して3年後に建築した場合などは適用除外となり、「課税売上割合が著しく変動したときの調整」を免れることができていました。

そこで2016(平成28)年度にあらためて税制が改正されました。2016年4月1日以降に物件を購入した事業者が対象、物件を購入した年の初日から3年間は、免税事業者にはなれなくなりました。

しかしこれでもう「消費税が還付されない」訳ではありません。

■還付が受けられる場合や注意点

具体的には、物件購入後、3年間課税売上割合を高い水準に維持できていれば、「課税売上割合が著しく変動したときの調整」をしなくて済み、消費税還付を受けられます。

法人で不動産投資以外にも事業を持っていれば、そちらで課税売上をあげることで課税売上割合を高くできる場合があるため、還付を受けられる可能性がありそうです。

ほかにも前出の「調整」は、3年後の末日に保有している場合に行われるため、それまでに物件を売却していれば対象になりません(ただ物件売却の消費税の納税が必要です)。また改正の対象とならない法人も還付を受けることができます。

ただ還付を受けても会計処理で工夫が必要なようです。具体的には物件価格の消費税分を税込みにするか、税抜きするかを使い分ける手法が指摘されています。物件価格を税込みにして、還付金を「雑収入」(利益)とするのではなく、税抜きにして還付金を「未収入金」として仕分けできれば、利益にしなくてもよくなります。

ただしこの手法で、物件価格を税抜き処理すると、消費税額分が経費にできなくなるため、毎年の減価償却費が少なくなります。このため長期的に見るとメリットは少なくなるものの、短期的には資金繰りで有利かもしれません。

2016年度の法改正で「もう消費税還付は受けられない」と決め付けるのではなく、不動産投資や融資に詳しい専門家に相談して早めに対策を講じてみましょう。還付を受けることはまだまだできそうです。(提供:不動産投資コンシェルジュ)

最終更新:9月16日(金)6時10分

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