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天竜観光、痛手今も 川下り船転覆で21日から公判

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月16日(金)7時48分配信

 2011年8月に浜松市天竜区の天竜川で5人が死亡した川下り船の転覆事故で、元船頭ら3被告の公判が21日、静岡地裁で始まる。地元の旧天竜市地域では事故後、観光交流人口が半減し、以降は回復せず横ばいが続く。地元から観光の目玉だった川下り復活の声は上がらず、経済団体や住民らは国の補助が得られるとして市が適用を目指す「歴史まちづくり法」に、将来の街づくりの望みをかける。

 川下り事業は、天竜観光協会(現天竜区観光協会天竜支部)が天竜浜名湖鉄道に運営を委託していた。年間約1万人の集客を誇っていたが、事故を受け廃止。60年余り続いた風物詩が姿を消した。

 神谷征男天竜区観光協会長(77)は「(川下り復活は)全く考えていない。船も処分した。若い人の新しい発想をかりて観光振興に取り組みたい」と話す。元営業課長の社員が業務上過失致死の罪で起訴されている同社の担当者は「天竜川の名が付く事業はやりにくい」と声を落とす。

 天竜区役所によると、同地域の観光交流人口は事故前の年間約85万人から、事故後はイメージ悪化もあり約45万人に半減。川下り目当てに集まった客が周辺施設を訪れていた需要もなくなった。

 唯一の希望は、浜松市が、歴史資源が集積する同地域をモデル地区に、街区整備に国の補助が受けられる「歴史まちづくり法」の適用を目指していること。国指定登録有形文化財「旧田代家住宅」や天竜浜名湖鉄道の鉄道遺産など多くの歴史遺産や文化施設が点在している。

 同区二俣地区の清瀧寺には徳川家康の嫡男信康の墓もある。信康の命日の15日、地域の仲間と墓を訪れた天竜商工会の大村邦男会長(75)は「信康は井伊直虎の親戚に当たる。何とか地域振興につなげられないか」と思案をめぐらせた。

静岡新聞社

最終更新:9月16日(金)7時48分

@S[アットエス] by 静岡新聞