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新耐震で倒壊死少数 熊本地震で静岡大教授ら調査

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月16日(金)7時47分配信

 熊本地震による建物などの倒壊で、1981年に導入された新耐震基準の建物内にいて死亡した人は少数にとどまることが、静岡大防災総合センターの牛山素行教授(48)らの調査で分かった。現行の耐震基準の一定の減災効果を示す研究結果で、20日に静岡市葵区の県地震防災センターで開かれる日本自然災害学会で報告する。

 牛山教授らは一連の熊本地震で直接死した50人を対象に、被災場所や倒壊家屋の築年月など人的被害の特徴を調べた。50人中倒壊による死者は38人で、うち37人が自宅など34軒の建物内で被災した。

 登記簿や空中写真の判読により1980年代以降に建てられたと推定される家屋は34軒中4軒だが、現地調査などからほぼ確実に新耐震基準の建物と言えるのは1軒だった。これとは別に、新耐震基準で増築した部屋にいたと考えられるケースがある。牛山教授は「不確実な部分もあるが、新耐震基準に従って建てられた家屋は命を守る目的を果たしている」と人的被害の減少効果を指摘。その上で、「建て替えや耐震補強には一定の効果がある」と改めて建物の耐震化を呼び掛ける。

 土砂災害による死者をみると、亡くなった10人がいた場所の震度と人数は、6弱が3人、5強が7人と推定。地震による土砂崩れは、揺れが大きくなくても起こる。牛山教授は「建物の倒壊がほとんどない場所や比較的なだらかな斜面でも発生する」と注意喚起する。



 <メモ>新耐震基準 建築基準法に基づく現行の耐震基準は1981年6月1日に導入された。旧耐震基準の建物は震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないように設計されているのに対し、新耐震基準の建物は震度7~6強の大規模地震で倒壊しないよう設計されている。

静岡新聞社

最終更新:9月16日(金)7時47分

@S[アットエス] by 静岡新聞